2024年6月5日
「豚肉は苦手。だけど斎藤シェフが選んで調理した豚肉なら食べられる」と、斎藤智史さんの店「プリズマ」に通う客は少なくない。強い苦手意識が原因で、ふだんは口にできない食材でも、斎藤さんのフィルターを通った肉なら安心できる。食材が「変わる」のだと言うゲストの声をよく耳にする。斎藤さんは、なぜそれほどまでの信頼感を得ているのか。長年親しくしている客たちは、彼の並々ならぬ食材へのこだわりを目の当たりにし、実際それを食してきたからだ。常連客の中には輸入業者や生産者も多く、斎藤さんの情熱を励みにする人もいる。
斎藤さんの食材へのこだわりは、養鶏場を経営していた父親の熱意と誠実さに起因するところが大きい。おいしくて安全な食材は、生産者の努力なくしては誕生しない。それを肌で感じて育った斎藤さんは、豚肉にも厳しく詳しく、「匠」になるべくしてなった人といえる。
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