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【レシピ】「京料理 たか木」華やかで独創的な『賀茂茄子田楽』


自分の料理に合う必要最小限の調味料を選び、その特性を生かす

繊細な味わいを大切にする日本料理だから、調味料は本当に必要なものだけを選ぶべき、と「京料理たか木」の高木一雄さん。「調味料も選択肢の幅が広いので、私もいろいろ試してみました。ただあまり個性の強いものは、旬の食材の味を消したり、主素材以上に香りが立ってしまうことがあります」

そうした経験から、調味料はクセの少ないシンプルなものを選ぶようにしている。醤油は種類。淡口はヒガシマルの「秀醇」を、濃口はキッコーマンのものを。みりんは「修業時代、素材を固く締めると教わったので、私の料理にはほとんど使いません」。いずれの調味料も何種類も用意して、献立ごとに使い分けるということはしないという。

味噌は、京都「山利」の「白味噌」を取り寄せている。「これは京都の多くの日本料理店で使われている白味噌で、京料理には欠かせない味噌。私にとっても修業時代からの馴染みの品です」と高木さん。注文したものが届いたら、使う分だけ冷蔵し、残りはすぐに冷凍保存する。「この味噌は生きていると思うんです。少しの時間でも常温でおいていたりすると発酵が進んで、味が変わってしまいます。それだけ繊細な味噌なんです」と語る。

加熱すると発酵は止まるので、すぐに玉味噌などに加工してストックする場合もある。そこへ青柚子の皮を混ぜて柚子味噌に、木の芽味噌や辛子酢味噌にと応用する。日本料理において、活用の幅が広い調味料だけに、自身の料理の味に合う、ベースとなる味噌をしっかり見極めて選ぶべきだと考えている。

【レシピ】賀茂茄子田楽

華やかで独創的な「京料理 たか木」の「賀茂茄子田楽」。例年夏頃の昼の献立に盛り込んでいる。柚子味噌を塗ったナスの上に、ローストした牛モモ肉と揚げた餅麩、三度豆、穂シソをたっぷりのせて。玉味噌に混ぜ込んだ青柚子の香りが爽やかなので、コクはあるが、すっきりと味わえる仕立て。ランチは女性客が多いのでビジュアル、味ともに喜ばれる。

材料(2人分)

玉味噌(作りやすい分量)
白味噌…1kg /酒…1合/砂糖…80g/卵黄…6個

田楽(2人分)
賀茂ナス…1個/サラダ油、八方だし…各適量/玉味噌…60g/青柚子の皮…1/4個分/牛モモ肉(ローストして1cm幅の角切りにしたもの)、餅麩(四角く切り、サラダ油で揚げておく)、三度豆(ゆでて小口に切り、八方だしにつけたもの)、穂シソ…各適量

作り方

  1. 玉味噌を作る。すべての材料を鍋に入れて中火にかけて、混ぜる。元の味噌の硬さ程度になれば完成。冷ましておく。
  2. 賀茂ナスは半分に切り、ねじむきにする。箸で刺して穴をあけ、サラダ油を熱したフライパンで両面に焼き目がつくまでこんがりと焼いて、湯にくぐらせて油抜きをして、八方だしに半日ほど漬けておく。
  3. 柚子味噌を作る。玉味噌に青柚子の皮を削り入れ、混ぜ合わせる。
  4. 2に3を塗って器に盛り付け、上に牛モモ肉、餅麩、三度豆、穂シソをのせる。

POINT
鍋に白味噌、卵黄、砂糖、酒を入れて、火にかけながらしっかり混ぜて、なめらかな玉味噌を作る。元の味噌と同じくらいの硬さになったら完成。充分に冷まして、青柚子の皮を削り入れ、柚子味噌を作る。「京料理 たか木」ではこれを田楽味噌として使 っている。油を吸って重たいナスも柚子皮の香りが生きて、夏場でも爽やかに食べられる。

高木一雄さん
1972 年大阪府生まれ。大学在学中「北乃大和屋」に入店。「京大和」へ移る。05 年2 月、兵庫県芦屋市にて独立。07 年9 月移転。

本記事は雑誌料理王国2011年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2011年11月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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