【レシピ】リヨン
フランス・ロワール地方の家庭料理として知られる「リヨン」。豚バラ肉はラードで柔らかくなるまでコンフィしたのち、一度冷ましてから、再びラードで揚げる。
材料
豚バラ肉…1㎏/岩塩(粒が大きすぎる時はつぶす)…17g/キャトルエピス、カソナード…各1/2 ㏄/タイム、ローリエ…各少々(適当に手でちぎる)/白ワイン…200㏄
作り方
- 豚バラ肉を30 ~40gに切り分ける。
- バットに肉、他の材料を入れて、よく混ぜる。ラップをかけて冷蔵庫で2日間マリネする(翌日、肉の上下を返す)。
- 水気を切り、ラードで1~1時間30分、竹串がスッと通るくらいまでコンフィする(ラードの温度はわずかに沸く程度)。
- バットに移し、ラードを濾し入れ、冷まして保存する。
- 4をラードで揚げる。色づいたら取り出し、脂をきる
【レシピ】モルタデッラ
イタリアのエミリア・ロマーニャ州の州都ボローニャで、800年も前の時代から伝統的に作られてきたソーセージ。大ぶりのラードのかたまりやピスタチオなどが入っているのが特徴だ。
材料
A【豚の赤身…400g/ノド肉…100g/背脂…110g】
B【塩…10g/亜硝酸塩(あれば)…7g /白ワイン…10g】
C【混合エピス…10g/ミルクパウダー…5g/結着剤…2g】/凍らせた牛乳…100g/アーモンドリキュール…15滴/卵白…1/2個
D【背脂(1 ㎝角切り、茹でる)…200g/ピスタチオ…50g/コリアンダー粒…2g】
混合エピス
モルタデッラ用混合スパイス
白コショウ…40g/パプリカ、ナツメグ…各 25g/クローブ、コリアンダー…各20g/オレガノ…5g *全て粉末、良く混ぜて使う
作り方
1.【A】+【B】を冷蔵庫で一晩マリネをする。
- 翌日、【A】を3㎜の肉挽き機で挽き、【C】と共にロボクーブで回す。肉挽機、ロボクープは作業前日に冷蔵庫に入れ、よく冷やしてから使う。
- 肉のツブツブが少なくなったら、凍らせた牛乳(砕いたもの)を3~4回に分けて入れて、なめらかなペースト状にする。
- 3にアーモンドリキュールを加える。
- ボールのなかで、約1/2個分の卵白を泡立て、【D】の材料を加えたら、よくからめる。
- ロボクーブから取り出したペースト状の生地に、5を加えて混ぜる。
- 真空マシンがあれば、上記の生地をバットに移し、真空マシンにかけて生地の気泡を除く。
- 人工ケーシング(直径70㎜、長さ45㎝、1時間水につけておく)につめ、両端をタコ糸でしっかりと縛り、冷蔵庫で一晩寝かせる。
- 翌日、25℃~30℃くらいのところに2 ~3時間置く(ETUVAGE)。
- 湯で茹でる(75 ~80℃、約1.5時間、中心温度68℃)。
- 中心が68℃に達したら、すぐに冷水・氷水で冷やす。冷蔵庫内にぶら下げて、水気をしっかりきる(生地はでき上がり温度が14℃を超えないようにする)。
【レシピ】リエット
「今回は豚肉を使いましたが、カモやウサギを使ってもおいしいですよ」と話す櫻井さん。通常は室温に戻してパンなどに塗って食べるが、ツボなどに入れれば数カ月間は保存できる。
材料
豚肩ロース(または肩正肉、50g角切り)…500g/背脂(直径8mmの肉挽き機で)…200g/水…50㏄/ 岩塩…10.5g/白コショウ…1g
作り方
- 鍋にひいた背脂を入れ、中火でまぜながら溶かす。透明になり、脂がにじみ出てきたら、肉の半量を入れ、茹でる感覚で表面が変わるまでまぜる(焦げ目はつけない)。
- 残り半分の肉を加えて同様に混ぜ、塩、水の順で加える(水は塩を溶かすためや焦げつき防止、背脂からさらに脂を引き出すために入れる)。
- 脂が95℃になるように30 分焼いたら、90℃に下げて5~6時間焼く。手で押してくずれる位まで火が通ったら肉をザルによけ、脂をきる。鍋に残った脂をシノワで濾し、ラードと肉汁に分ける。
- 肉を木べらでほぐし、スジ等をはずしたら、白コショウ、3で分けた肉汁を加える。
- 味を見ながらラードを加える。器に入れて、表面を平らにし、ラードで覆う。
Shinichiro Sakurai
ローブリュー オーナーシェフ
1961年、東京生まれ。レストラン勤務を経て88年渡仏。ローヌ=アルプやバスク地方で修業し、92年に帰国。「パッション」などを経て、2002年に独立。
本記事は雑誌料理王国2013年10月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2013年10月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。