2024年9月18日
「摩擦を起こさず、小さく、個性的であれ」コート・ドールを開店して今年で35年になりますが、それを大切にやってきました。僕は1950年生まれ、団塊の世代ですから、常に競争にさらされてきた。だから、大多数が選ぶ方向でなく、競争の少ない、ニッチな方向をあえて選んできた部分はあります。
そもそも、僕は不器用でした。だからこそ、どうしたら上手になれるかを愚直に追求してきました。そもそも、飽きるほど簡単に卓越できなかったのです。毎回うまく行かない、と思いながら修正を続けて、習慣になるまでやると「下手なりの上手さ」というようなやり方がいつの間にか身についてくるものです。大多数の人のやり方とは違うけれど、続ける事で個性になっていく。物事を上手にできない悔しさはずっと心の中にあって、70歳になった今だってあります。今も、上手にできているなんて思えない。そもそも、そんな風に油断したら、足元をすくわれますから。人と違う道を選ぶことは、いつ奈落の底に突き落とされるか分からないリスクと背中あわせです。毎日ある意味ビクビクしながらやっているし、だからこそ緊張感を持って続けられてきている。不器用でよかった、と思います。
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