鶏好き必見!テイクアウトもできる立石「鳥房」の若鶏の半身を揚げた「若鳥唐揚げ」


鮮度のよい若鶏を三度揚げ、香ばしく、しっとりと仕上げる

「創業から60年、作り方はその頃から変えていません」と誇らしげに語るのは、東京・立石「鳥房」の店主、水澤昭さん。

 躯体の小ぶりな鶏を売るにはどうしたらよいかと、近隣の養鶏場から相談を受けて生まれたのが、生後60日の若鶏の半身を揚げた「若鳥唐揚げ」だ。鶏肉は鮮度を重視して毎朝仕入れ、大中小の3段階で価格を変える。小さめのものは580円から、大きなものは680円まである。店内でも揚げたてを食べられるが、テイクアウトの人気も高い。

 身が締まっているが肉質はしっとりしているのが「鳥房」の唐揚げの特徴。鶏肉の下処理をていねいに行い、まず表面を軽く揚げておく。その後はオーダーが入ってから調理。フライヤーなどを使わず、業務用としては小ぶりの深鍋をふたつ用意し、片方の鍋で180℃で完全に火を通してから、もう一方の鍋に移し、200℃に熱した油で表面を揚げる。数羽を一度に揚げても油の温度を一定に保ち、香ばしく仕上げるための工夫である。

鳥房
三度油で加熱することによって余分な水分が抜け、中まで油が染み込んでいるため、日持ちがよく冷めてもおいしい。

店主 水澤 昭さんが伝授する若鳥唐揚げ

三度揚げで水分を抜き、旨味を凝縮

  1. 鶏肉は内臓を取った状態で1羽丸ごと仕入れる。
    首ヅルを外し、水を何度か替えて毛などをよく洗い落とす。
  2. 味をつけて表面が薄茶色に色づくまで油で揚げ、粗熱を取っておく。
  3. 注文が入ったら180℃の油で10分間、長い箸で時々ひっくり返しながら揚げる。次に200℃に熱した別の鍋の油で5分間揚げる。油を切って取り出し、塩をふって提供する。
東京・立石「鳥房」の名物は、鶏の半身を使った「若鳥唐揚げ」。注文ごとに店先で揚げるが、オープン間もなくすると店先に行列ができるほどの人気だ。店の裏には座敷があり、揚げたてを冷たいビールと楽しめる。
photo : Kazuo Kikuchi

鳥房
Torifusa
東京都葛飾区立石7-1-3
03-3697-7025
● 月~土16:00~21:00 LO日祝15:00~20:30LO 
●火休


text : Yukako Ito /photo : Kazuo Kikuchi

本記事は雑誌料理王国第209号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第209号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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