世界の多くの国で食されている牛肉。焼く、煮る、揚げる、あるいは生食と、その食べ方はさまざまだ。
世界各地を旅しながら訪れた国々のリアルなレシピを研究する料理家、口尾麻美さんに、6つの国のユニークな牛肉家庭料理を教えていただいた。
牛肉料理で巡る「テーブルの上の世界旅行」で、新たな牛肉体験を!
ひよこ豆のフムスやブルグル(挽き割り小麦)のタブレなど、豆や野菜、オリーブオイルをたっぷり使うことで知られるレバノン料理にも、牛肉を使ったお惣菜があった。「牛ひき肉と松の実を炒め合わせたこの料理は、一般的な料理のひとつ。いろいろな料理にアレンジできます」
シナモンやナツメグ、オールスパイスを混ぜて肉に合わせるのは中東らしいスパイス使い。甘い香りがエキゾチックな味わいを強調する。「伝統的には『バハラット』というミックススパイスを使いますが、今回は手に入りやすいものを混ぜて作りました」。レバノンでは米をよく食べるそうで、ハッシュウェーのピラフもまた定番。香りのあるジャスミンライスがさらに風味を増す。「最初は独特の香りに驚くかもしれませんが、食べ始めたら止まらなくなる不思議な魅力を持つ料理です」
中東随一の美食国と言われるレバノンは、イスラム教とキリスト教の文化が交差する国。牛肉と松の実を炒め合わせて作るこの料理は、レバノンの万能常備菜だ。
牛ひき肉(赤身)……400g
バター……大さじ 1
玉ねぎ(みじん切り)……1個
A
・オールスパイスパウダー……小さじ1
・シナモンパウダー……小さじ1
・ナツメグパウダー……小さじ1
・ブラックペッパーパウダー……小さじ1/2
塩……小さじ1
松の実……1/4カップ
パセリ(刻む)……大さじ1
口尾麻美 Asami Kuchio
料理研究家·フォトエッセイスト。料理教室「Amazigh」主宰。アパレル会社に勤務後、イタリア料理店を経て独立。世界を旅して料理や食材を味わい、各地で出合った料理を再現すべくレシピを研究する。『おはよう! アジアの朝ごはん』(誠文堂新光社)、『まだ知らない 台湾ローカル 旅とレシピ』、『はじめまして 電鍋レシピ』(共にグラフィック社)など著書多数。
text Miki Numata photo Yukako Hiramatsu recipe Asami Kuchio
本記事は雑誌料理王国2021年4月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2021年4月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。