料理王国100選プロデューサーの中村が、食材探しの現場からレポートする「料理王国100選日記」。
第三回目は、10月27日に行われた「高知県大川村の試食イベント」で出合った土佐はちきん地鶏について。
料理王国100選は、本誌で取材してきた食材やシェフたちが自信を持って推薦してくれた食材、熱意ある生産者やメーカーからの公募品など、これまでに累計約1,100商品以上を審査してきた品評会です。品評員には、百貨店や専門店などの名だたるバイヤーたちに加え、料理王国でも何度も掲載してきたトップシェフたちが名を連ねているのが特長です。エントリー商品のレベルも年々高まり、品評員からも「店で使いたい」「取引して仕入れたい」という声がますます挙がっています。つまり、料理王国100選で高く評価されるということは、単に彼らの評価を聞くことが出来るというだけでなく、食品専門店での販売やトップシェフたちのレストランのメニューに並ぶチャンスを得る、ということです!
料理王国100選プロデューサーとしてより良い食材情報を得るために奔走している中で、一般社団法人 大川村ふるさとむら公社による試食イベント『高知県 大川村はちきん地鶏の会』に参加して来ました。会場は麻布十番の可不可(KAFUKA TOKYO)です。
僕は以前、高知県の生姜のオリジナル商品を開発していたこともあり、高知県には出張でそれなりの回数訪問していましたが、大川村の存在は恥ずかしながら知りませんでした。しかし、隣町の温泉まで行っていたので、この辺りの環境の良さは何となく想像できました。標高は700mで、離島を除けば日本で一番人口が少ない村だそうですが、地元の特産である大川黒牛やはちきん地鶏が食べられる年に一度のお祭り、「謝肉祭」には村民のおよそ4倍、全国各地から1,500人もの人が来るそうです。
カツオのたたきに隠れてしまいがちですが、高知県には畜肉にも土佐あか牛、土佐ジローといった特産品があり、締まった肉質と強いうま味、クセのないピュアな味わいの『土佐はちきん地鶏』もここに並びます。
『土佐はちきん地鶏』は高知県が開発した新しい地鶏で、坂本龍馬が好んで食したというコーチン系の「大軍鶏」と「土佐九斤」をかけあわせたクキンシャモを父親に、白色プリマスロックを母親にして誕生しました。畜肉に限らずすべての食品に言える話ですが、水と空気が綺麗な環境で育てられるものに間違いはないなので、今回の試食にも期待が高まります。
先付けは、地鶏皮の煮凝り・鶏だし茶碗蒸し・鶏レバーコンフィの三点盛り。
スッキリとした煮凝りと濃厚な出汁の効いた茶碗蒸しのコントラストで『土佐はちきん地鶏』の持つうま味を、冒頭からストレートに感じられました。
前菜はむね肉を低温調理し、サラダ仕立てに。噛み締めるほどに『土佐はちきん地鶏』の美味しさが広がります。
焼物はもも肉・ささみ・手羽・ハツ・砂肝を塩でシンプルに。付け合わせに葉付き大根と胡瓜、2色のパプリカ。
最後の煮物は鶏蕪霙鍋(みぞれなべ)。ほろほろと柔らかく煮込まれた『土佐はちきん地鶏』を堪能しました。
今回、様々な調理方法で『土佐はちきん地鶏』を試食する機会に恵まれました。全国各地にブランド鶏は多くありますが、高知県大川村は何といっても水と空気が素晴らしい場所。このような恵まれた環境で育てられた食材に改めて触れたことで、こうした土地をより多く見つけ出し、そこの食材を料理王国100選を通じてさらに広めたいと思いました。
土佐はちきん地鶏についてのお問い合わせ
一般社団法人 大川村ふるさとむら公社
TEL:0887-84-2201
https://okawafk.or.jp
そして料理王国100選では、この大川村の『土佐はちきん地鶏』のような特産品や地域ブランドを広く募集しています。地域の食材をトップシェフやバイヤーたちに試食、品評してもらうことで、地域の活性化につなげたいような自治体様、ぜひ下記からお問い合わせください。
「料理王国 100選」事務局
https://cuisine-kingdom.com/100item
Tel:03-6861-6101 / Fax:03-6861-6102
担当:中村和久
nakamura@cuisine-kingdom.com
text:中村和久(料理王国100選プロデューサー)