原産地統制呼称(POD)を、フランス語では「Appellation d’origine protégée」から AOPとして表記し、食文化遺産を守っている。ここではAOPに認定されたチーズのうち、山羊乳製及び羊乳製の17種類を紹介。フランスのチーズ文化の奥深さを知ってもらいたい。
12日熟成のドゥミ・セックから、1カ月熟成のブルーまで、熟成期間に応じた味わいが楽しめる。
(AOC認定 1976年 / 2012年の生産量 874t)
無殺菌の全乳からつくられる伝統的なチーズ。8つに切り分ければ、アミューズとしても使える。
(AOC認定 1975年 / 2012年の生産量 997t)
元来はピラミッド型。ナポレオンを招いた際、エジプト遠征の失敗を連想させないよう先端を落としたとも。
(AOC認定 1998年 / 2012年の生産量 377t)
形が崩れないよう、中心にライ麦の藁を通してある。模造品が流行したことから製造識別番号が刻まれる。
(AOC認定 1990年 / 2012年の生産量 1350t)
チーズのアペラシオンとしては、最も小さい区域で生産される。白くなめらかでやわらかい生地が特徴。
(AOC認定 1972年 / 2012年の生産量 284t)
産地ごとに個性があるが、きめ細かでやわらかい食感は共通。しばしばヘーゼルナッツのアロマを感じる。
(AOC認定 2000年 / 2012年の生産量 218t)
ローマ皇帝の食卓に上っていたという。栗の葉に包まれることで、発酵と葉の渋みで独特の風味が生まれる。
(AOC認定 2003年 / 2012年の生産量 68t)
シャビシューとはアラビア語で「山羊」を意味する。熟成が進むにつれて香りが増し、生地がもろくなる。
(AOC認定 1990年 / 2012年の生産量 370t)
ブドウ畑に沿って続くやせた草地を利用するために生まれた。乳酸発酵させた凝乳から最低10日熟成する。
(AOC認定 2006年 / 2012年の生産量 64t)
高さ7㎝、直径最低6㎝、重さ250~300g、山羊のチーズとしては大きいもののひとつ。熟成も楽しめる。
(AOC認定 2010年)
100%農家製のチーズ。生産量が極めて少ない。なめらかな生地と、さまざまな香りを内包する逸品。
(AOC認定 2002年 / 2012年の生産量 70t)
「ピカン(ピリッと)」と「ドゥ(甘い)」が語源。熟成が進むにつれ、ピリッしたシャープさがあわられる。
(AOC認定 1983年 / 2012年の生産量 472t)
19世紀末より、ピラ山脈の斜面でつくられてきた。12日間の熟成後、ほんのりヘーゼルナッツの風味が。
(AOC認定 2009年)
ふた口で食べられる小さなチーズ。軽くトーストしたパンにたっぷり塗って食べるのがおすすめ。
(AOC認定 1996年 / 2012年の生産量 1,060t)
14世紀には、すでに価値あるものとされ、羊飼いが職業になるきっかけになったとされる歴史あるチーズ。
(AOC認定 1980年 / 2012年の生産量 3,478t)
1666年、トゥールーズ議会によってすでに製造が保護され、1925年にフランス初のAOCを獲得した。
(AOC認定 1924年 / 2012年の生産量 17,482t)
コルシカ島の伝統チーズで、プチィ・レと呼ばれるホエー(乳清)からつくられる特殊なチーズ。
(AOC認定 1998年 / 2012年の生産量 374t)
編集協力=SOPEXA 写真協力=CNIEL / EU special thanks to SOPEXA, photos by CNIEL / EU
本記事は雑誌料理王国第250号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第250号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。