日本人が猪を食べはじめたのは新石器時代といわれる一時仏教の影響で獣肉忌避の雰囲気は高まったものの、江戸時代後期に再度、長崎の出島で養豚が始まったという。九州が生産量1位というのも理由がある、とも思えるが、名前の挙がるブランド数で比べると、やはり東日本より数は少ない。しかし地図をよく見てみると、東京のシェフの顔もある。リストランテアルボルトの片岡護さんは以前のアンケートでも「愛媛甘とろ豚」を挙げていた。東京へ取り寄せてでも使いたい豚肉が、西日本にも数多くあるのだ。
◦長楽館 ル シェーヌ
福井県内でも生産農家はわずか2軒で、安心・安全な飼料と徹底した衛生管理のもとで育てられる。タンパク質・ビタミンが豊富で、しまりが良く、きめの細かさ、風味の良さが抜群。
生後180日以上飼育されるJAS規格の豚。育成期から出荷までの間に配合飼料を40%以上与える。
◦ ソルト バイ ルークマンガン
◦ ダンゼロ
オス豚にもこだわり、何代も品質管理し生み出された三元豚。飼料は大豆が基本で腸の働きを活性化させている。
◦オリーブ バール
きめの細かい肉質をもつ黒豚と、デュロックという茶豚を交配することによって生まれた泉澤農園特有の品種。
オリーブ バール 木下憲幸さん
「脂身を活かしたいので、肩ロースをミンチにしてアニョロッティの具などにしています。」
◦ 神戸ポートピアホテル トランテアン
◦神戸迎賓館邸宅 レストラン ル・アン
飼料は加熱トウモロコシやパンを配合し、豚肉の風味がいい。豚肉特有の臭みや、クセが無く用途を選ばない。
マンジェ・ササ
◦リストランテ アルポルト
◦イタリアレストラン アマルフィ
純白の脂身は、脂肪融点が36℃と低く、口溶けがなめらか。オレイン酸比率も高く、ヘルシーな豚肉。
リストランテ アルポルト 片岡 護さん
「ずいぶん前から使っています。リストランテでも提供できるおいしさが魅力です。」
◦リストランテ シルベラード
佐賀県武雄市で飼養される。厳選した活性酵素や地元で採れる季節の野草を飼料に加え、内臓から健康な豚に。
◦ フレンチ前菜食堂 ボングゥ 神楽坂
◦ ラディーチェ
鹿児島県の新ブランド豚。緑茶粉末とサツマイモを主としたエサで育つ。臭みが少なく、旨味成分を多く含む。
今回のアンケートで1番多く使われていた豚肉はスペイン産のイベリコ豚だった。2004年の輸入解禁以来、根強い人気を誇っている。その他にも、同じスペイン産では「ガラシア栗豚」の名が。「ガラシア栗豚」は、生後28日まで母豚と一緒に育ち、脂の質が変わる70日後からは1日約300gの栗を約5カ月間与えて育つ。そのうち43%以上の霜降りがある豚のみが州の認証を受けることができ、手間がかかるため希少価値が高い。その他にも、ハンガリー「マンガリッツァ豚」や、フランス「バスク豚」、イタリア「パルマ豚」などが挙がり、外国産ブランド豚も国産豚に負けずとも劣らぬ人気がある。
本記事は雑誌料理王国241号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は241号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。