アルマーニ / リストランテが送る魅惑の4 Hands Dinner


4月にスペイン「エグニマ」のアルベルト・アドリアシェフを迎えて開催されたコラボレーションに続き、2回目となる今回はイギリス出身のカーク・ウエスタウェイシェフが登場。その内容とは?

今春の開催に続き、去る10月5日(木)・7日(土)に東京・銀座の「アルマーニ / リストランテ」で開催されたスペシャルディナー・イベント。ホスト役となった同店のエグゼクティブシェフ、カルミネ・アマランテ氏はナポリ出身。伝統的なイタリア料理に日本の食材を組み合わせた、繊細な料理で知られている。一方、今回ゲストシェフとして来日したカーク・ウエスタウェイ氏は、イギリス・デボン出身。シンガポールのラグジュアリーホテル「スイスホテル ザ スタンフォード」のモダン・ブリティッシュ・ダイニング「ジャーン by カーク・ウエスタウェイ」を二つ星に導いた実力者だ。二人には、日本とシンガボールというアジアを拠点に、母国の伝統的な食文化をモダンに昇華させたガストロノミーを発信し続けている、という共通点がある。

「ガチョウムース、BBQタラバガニ、チェダーチーズ パンケーキ、ブリオッシュ、雲丹」
「トマトコレクション フレッシュバジルソルベ」
「帆立貝 キャビア サフランソース」

そんな料理哲学を共有し、また友人同士でもあるトップシェフ二人が手がけたフルコースは、それぞれが手がけたアミューズブーシュからスタート。カルミネシェフのフィンガーフード「ブリオッシュ 雲丹」に対し、カークシェフが提供したのは「ガチョウムース」「BBQタラバガニ」「チェダーチーズ パンケーキ」。チェダーチーズやスパイス使いが、イギリスらしい。

続くカークシェフの前菜は、シグネチャーディッシュでもある「トマトコレクション フレッシュバジルソルベ」。ボレンタのクラッカーが添えられたひと皿は、北海道産の数種類のトマトをバジリコ、オレンジジュースでまとめたイタリアへのオマージュを感じる一品。一方、続くカルミネシェフの「帆立貝 キャビア サフランソース」は、九州産の最上級サフランを使用した優しいソースとキャビアの塩味が絶妙なコントラストを描く。味わい、香り、食感、驚きと美しさの全てを兼ね備えた料理は、まだまだ続く。

「静岡 アカザエビ」
「リソディセモラ 黒トリュフ」
「キンキ」
「ホロホロ鳥 玉ねぎマーマレード」

白菜で静岡産アカザエビを包んで蒸し、オランデーズソースでいただくカークシェフの温菜。そしてカルミネシェフのスペシャリテであり、出身地・ナポリで作られる米の形をしたパスタのリゾット、リソディセモラは、芳醇な黒トリュフと共に供された。

両氏のクリエイションは共に、とてもモダンでスタイリッシュでありながら、口にするとどこかに懐かしさを感じさせる。その絶妙かつ完成度の高いバランスに唸る。

優雅な音楽に身を委ねるように流れてゆくコースのメイン。カルミネシェフは、ドライエイジングしたキンキを炭火で香ばしく、かつ柔らかく火入れした一品。カークシェフは、ホロホロ鳥の胸肉のテリーヌにジロール茸・生トリュフを添えた優しい味わいのひと皿だった。

カーク・ウエスタウェイシェフ
カルミネ・アマランテシェフ

今回のコラボレーションについて「アルマーニ / リストランテはアルマーニ ブランドのエレガンス、細部への究極のこだわりを食で見事に表現しています。カルミネシェフのクリーンで繊細な料理スタイルとプレゼンテーションや料理の美しさには以前から感心していました。そんなカルミネシェフと彼のレストランで一緒に料理ができる機会は逃したくないと思い今回のコラボレーションに至りました」と語っていたウエスタウェイ氏。日本の食材やアマランテチームとの協働を楽しんだ様子が、フロアに現れた晴れやかな笑顔から推察できた。一方のアマランテ氏も「自分自身やチームにとっても、第一線で活躍するカークシェフとのコラボレーションは刺激的な経験。異なる手法やテクニックを学ぶことは、スタッフ全員のモチベーションに繋がると信じています」と話していた。

飽くなき探求を続けるアルマーニ / リストランテの意欲的なコラボレーションディナーに、今後も注目したい。

アルマーニ / リストランテ(東京)
東京都中央区銀座5-5-4 アルマーニ / 銀座タワー 10F&11F
TEL 03-6274-7005
11:30〜15:00(14:00LO)、18:00〜23:00(20:00LO)
月休 ※2024年2月以降は日月休

text・photo:奥 紀栄(料理王国編集部)

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