【兵庫・三宮】知る人ぞ知る!300種類以上のワインと本格イタリアンの路地裏バール


自然派ワインと本格イタリアン
兵庫・三宮 エノテカ・ベルベルバール

 三宮駅から5分ほど、東門街の繁華街から一本入った路地に、ゆらゆらと動く光が、店内のにぎわいを伝える。そこは、「日常に寄り添うワイン文化を日本でも提案したい」と、オーナーの宮本健司さんがオープンさせた「ベルベル・バール」だ。宮本さんは、芸大に在籍後、ヨーロッパで建築関係の仕事をしていた異色の経歴の持ち主。ヨーロッパ滞在中、土地に根ざした食文化とワインの結びつきに感銘を受けた。「僕の中のヨーロッパの風景にはいつもワインがあります」。そこで建築と食文化を同時にプロデュースできる店、と自ら設計、施工して作り上げた。

ドアは常時開放してある。温かな賑わいが光とともに外に漏れる。店外の繁華街とはまったく別空間に。

シーンに合わせて味わう本格イタリアンとワイン

 1階はヨーロッパで見つけた一枚木で作った重厚感のあるカウンターがゲストを迎える。それに対し、2階はゆったりとしたテーブル席。この親密な空間と、宮本さんの底知れないワインへの愛情とサービスが魅力と評判だ。ワインは、イタリアやフランス産を中心にして、主に自然派ワイン約300種類が揃う。

「ワインは料理をおいしくさせるもの」。だから料理は一切妥協しない。キッチンを任せるのは、イタリアの星付きレストランで修行経験もある蔭山正憲シェフだ。仕込みは毎日、昼から始まる。ディナーに集中したいからランチ営業はしない。「前菜、パスタ、メインの3部構成を軸にメニューを組み立てます」と蔭山シェフ。

小鳩のローストタイム風味のソース
2週間熟成させたハトを使用。骨からとったダシを使ったソースの上にジャガイモのピューレを合わせたシンプルなひと皿。宮本さんの提案する赤ワインとの相性が抜群。蔭山シェフのピエモンテの修行先「ラ・リベラ」のスペシャリテをそのままに。

 2014年秋から店名を「エノテカ・ベルベルバール」と改めた。市民権を得て、ひとり歩きしだした〝バール〟という言葉に違和感を覚えはじめたからだ。「バールと掲げて、敷居を下げてワインを提供する段階を経て、熟成期に入った気がします」と宮本さん。バルブームの今、数ある店の中でも、この店に今日も人が集まる理由は、本質を追求し続ける宮本さんの信念にある。

ワインバルを盛り上げるオススメ5本!

(左から)
・ コキュアージュ ジュリアン・メイエ[フランス/アルザス]
・ マルバジア フリッツアンテ セッコ カミッロ・ドナーティ[イタリア/ピエモンテ]
・ VdF ロゼ テール マルセル・リショー[フランス/コート デュ ローヌ]
・ エレーブ ドメーヌ・デ・メゾン・ブリュレ (ミシェル・オジェ)[フランス/ロワール]
・ ランゲ・ネッビオーロ カッシィーナ・バラリン[イタリア/ピエモンテ]

(右)宮本健司さん Kenji Miyamoto
1971年兵庫県神戸市生まれ。大阪芸術大学在籍後、建築関係の世界へ。ヨーロッパ、北アフリカに2年半の滞在中、西洋のワイン文化を学ぶ。帰国後2007年に同店を開店。
(左) 蔭山正憲さん Masanori Kageyama
1972年兵庫県西宮市生まれ。「キャンティ」(東京・麻布)などで修行後、2010年渡伊。一ツ星「ラ・ガッツァ・ラードラ」などで修行後、帰国。2015年ミシュラン ビブグルマンに。

エノテカ・ベルベルバール
enoteca ber ber bar

兵庫県神戸市中央区中山手通1-9-5
078-392-5253
● 17:30~23:00LO、(金、土は~22:30LO)バータイム~翌2:00(翌1:00LO)
● 日休※ 月曜祝の場合は営業
www.berberbar.com


料理王国=取材、文 中蔦仁己=撮影

本記事は雑誌料理王国第246号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第246号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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