「やまなし美酒・美食マンス」に参加の一軒でワインとジビエの店「ブラッスリー山梨」を訪ねました


「やまなしの美酒・美食」とは、豊かな自然や気候に恵まれた山梨県が、おいしい県産食材やワインをはじめとする県産のお酒を楽しみましょう、という取り組み。
その一環として「やまなし美酒・美食マンス」と称し、山梨の食材を使った料理と県産のお酒のペアリングを提案するレストランフェアを開催しています。
https://bishoku.pref.yamanashi.jp

2024年2月16日(金)~3月17日(日)の1か月にわたって行われ、山梨県内48店の飲食店が参加しました。
そのうちのひとつ、「ブラッスリー山梨」を訪ねました。

「ブラッスリー山梨」があるのは、甲府駅から歩いて7分、いかにも舌の超えた人が集まりそうな「甲府ぐるめ横丁」の一角。小さな間口の奥にあり、ブラッスリーの名のとおり、フランスの大衆酒場を彷彿させる店構えです。
中に入ると、カウンター席と奥にテーブル席がひとつ。ここで山梨のジビエ料理とワインをいただきました。

突き出しの一品は、「無塩!山梨桃酢ピクルス」。
一口大にカットした大根を桃酢で軽く漬けたもので、ほのかな甘さでお汁まで残さずいただきました。
爽やかな酸味と仲間に近い大根のシャキシャキとした食感が呼び水となって、これから登場する料理にわくわく感が高まります。

ワインは「番イ(つがい)」。
創業100余年の「大和葡萄酒」の、甲州を使ったミネラル分たっぷりなスパークリングワインです。さわやかなフルーツの香りもあり、シュール・リー製法によりうまみも感じられる1本です。

続く一皿は「山梨前菜ちょこっと3種盛り」
ベータニンジンのキャロットラベ、ケール、八ヶ岳湧水サーモン(トラウト)が登場。
野菜は力強い味わいがあり、サーモン(トラウト)は身が締まり程よい脂ものって、キリッとしたスパークリングワインによく合います。

「山梨前菜4種盛り」はお肉の盛り合わせ。
左から、甲州牛のチーズのせ、馬の赤身肉とたてがみ、鹿のレバーパテとリエット、鹿のローストと、県産の高品質な牛のよさ、野生味ある馬、滋味あふれるジビエをそれぞれ調理法を変えた楽しい一皿で、加工してよし、シンプルにローストしてよしと、とりわけジビエの可能性を感じさせるものでした。

ここでワインは、コロナ禍でワインが余ったワイナリーを支援する「飲んで守ろう日本ワイン バージョン4」に。
山梨県の「笛吹ワイン」が手掛けた1本は、アジロンダック、巨峰、甲州(醸し)のブレンドのロゼワインですが、ほぼほぼ赤ワインと言ってよいくらいの色調です。比較的軽めの赤ワインのような、甘やかな香りとふんわりとした味わいがあります。
アジロンダックは幻の黒ブドウと呼ばれ、勝沼周辺でしかほとんど栽培されない希少な品種。
こういうワインに出合えるのも、山梨を訪ねるからこそ。一期一会の楽しさです。

続いて登場した「富士山ジビエの燻製」は、噛めば噛むほど旨味を感じさせる一品。骨の部分はかぶりついていただきます。なかなかこういうスタイルで食べることはなく、ジビエに力を入れているエリアでありお店ならでは、ですね。

肉のメインといきましょう。
北杜市の「鹿肉のグリエ」をいただきました。
しっかりとした食感がありますが、かたさはありません。もちっとしたようなふくよかな噛み応えがあり、しっかりとした肉を感じさせ、満足度の高い一皿です。

最後はリゾット。とろりとしたレバーと、粒感は残しながらとろりとしたお米でしめます。日が暮れるとまだ寒い時期だったので、お腹をぽかぽかと暖かくして、お店を後にしました。

この日は土曜。店内はほぼ満席、
オーナーシェフでソムリエの鈴木耕太さんは山梨県出身。県内や東京都内のフランス料理店、フランスでのレストランでも働いた経験のある方です。
帰国後も日本各地のジビエを試す中で、地元産が自分の料理に合う、と5年前にジビエとワインに注力したこの店舗を甲府にオープンされました。
勉強熱心で、ソムリエ、管理栄養士などの資格をお持ちであるだけでなく、大学の食物栄養科の専任講師も務めてらっしゃいます。

一見、雑多で気軽な雰囲気ですが、フランス料理の確かな技術と豊富な知識に裏打ちされ、山梨の食材とお酒で表現する「ブラッスリー山梨」。
「やまなし美酒・美食マンス」の期間中はもちろん、それ以外の時期もいつでも山梨のおいしさが味わえる一軒です。

ブラッスリー山梨
山梨県甲府市中央1-6-4 芳野ビル
Tel: 055-231-5272

やまなし美酒・美食マンス
https://bishoku.pref.yamanashi.jp/

「ハイクオリティやまなし」は、山梨の魅力を掘り下げ、山梨が目指す次世代社会を紹介する県公式のオウンドメディアです。

text:羽根則子, photo:川上尚見

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