今回、点心の技を学んでみていかがでしたか? と村山さんに聞く。「パン作りのヒントがいっぱい。面白かったです。今度はパオズで甘いフィリングを包んでみようかな」
早くも新たなひと皿を構想する。「それに、歴史ある中国料理の点心の技を忠実に守って、活かしている宮田さんの姿に共鳴しましたね」
イタリアの師「ダル・ペスカトーレ」のナディアさんも、その土地でしかできないことを変わらずやり続けている「頑固な」シェフだ。「その姿勢と通じるものを感じ、自分もそうありたいと思いました」
村山さんが得たものは、点心の調理技術だけではなかったようだ。
「古くからの技が、点心の調理に今も息づいている そのことに深く共感しました」
培養を繰り返した「老麺」を使った生地で、しっかり固まった鮟鱇の餡を包む。青ミカンのシロップとケーパーで和えたサラダが、甘辛い味付けの鮟鱇と合う。イタリアの包み焼きピザ「カルツォーネ」になぞらえて命名。
コラーゲン豊富な鮟鱇を具材にした。餡は、イタリア・ジェノバ産の魚醤と塩、そして点心の味付けを参考に、砂糖も加えて甘辛い味わいに仕上げた。鮟鱇はやわらかなフィレ部分と、皮などのコラーゲン豊富な部分など部位ごとに調理し、食感が出るよう配慮。
レストラン ラッセ
東京都目黒区目黒1-4-15ヴェローナ目黒B1
03-6417-9250
● 12:00~-15:00 (13:00LO) 18:00~23:00 (21:00LO)
● 日、第1月休
● コース 昼5400円~ 夜10800円~
● 24席
http://lasse.jp/
価格は税込、サービス料別
料理王国=取材、文 富貴塚悠太=撮影
本記事は雑誌料理王国第273号(2017年5月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第273号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。