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あのシェフが語るお気に入りのまかない「エッサンシエル 大東和彦さん、鈴村幸奈さん」


「料理を作る喜び」を忘れないで

大東和彦さんは料理に対してストイックだ。スタッフにも、「こうじゃなきゃいけない」と注文することも多い。「だから、まかないは自由にさせたい。材料費も、ジャンルも制限はなし。それは、彼らに料理を作る楽しさ、喜びを持ち続けてほしいと願うからです」と打ち明ける。

この日のまかない担当は、鈴村幸奈さん(下写真、右)。店でも出しているタイの使わなかった部分を利用して春巻き、炊き込みご飯、潮汁を作った。菜の花やソラマメなど春の食材も使用し、大東さんも「おいしいし、彩りもいいね」と、笑顔を見せる。「シェフにおいしい、と言ってもらえるのはうれしいです。普段の仕事では、ほめられることが少ないので」と、鈴村さんも声を弾ませる。

春巻きの餡は、タイと、おろしたレンコン、ソラマメ、刻んだシソを混ぜたもので、前日にラップで整形しておき、冷蔵庫でひと晩ねかせ、まかないが始まる直前に皮を巻いて揚げた。

大東さん自身も、じつは大学時代のアルバイト先で作ったまかないがきっかけで、料理の道を目指すようになった。「雑誌で覚えた料理を作ったら、料理長にほめられて。それがうれしくて、自分で考えてアレンジしたりするようになった。気づくと料理が好きになっていたんです」。「レシピで料理は決まらない」と、大東さんはいつも言い続ける。
「塩の量や火入れによって料理は変わる。そういったバランスは、料理人の経験からしか生まれない」

だからこそ、大東さんは、スタッフにまかない作りを任せている。

Essentiel
エッサンシエル

大阪市中央区北浜1-1-28 ビルマビル北浜7F
06-4963-3767
● 12:00~13:00LO、17:30~20:30LO
● 不定休
● 23席
http://essentiel.jp/


江六前一郎=取材、文 村川荘兵衛=撮影

本記事は雑誌料理王国第297号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第297号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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