オリーブオイルはパスタに限らず、イタリア料理全般に欠かせない食材だが、なんとなく選んでいる人もまだまだ多いのではないだろうか。普段から多種のオリーブオイルを用途によって使いわけているという「HATAKE CAFÉ」の神保佳永シェフに、オリーブオイルを軸に構築した、プロ仕様と家庭でも作れる夏のパスタを二品、提案してもらった。
一品目のベースとなるオイルは「モニーニ」の「エキストラバージン オリーブオイル クラシコ」を選んだ。イタリアで市販されるオリーブオイルの中で販売量と額ともに一位というシェア率を誇る、イタリアで最もメジャーなオリーブオイルだ。
「香りと味のバランスがよく、これを選べばまず間違いない、万人受けする一本です。クラシコのような良質のオイルは、個性の強いオリーブオイルと料理をつなぐ役としても活躍するのであると安心します」
今回は南イタリアで古くから親しまれる郷土料理のタコのラグーソースをアレンジしたプロ仕様のひと皿を完成させた。「クラシコは調理と仕上げで使いました。調理油として使うと素材の味を際立たせ、仕上げのひとかけではオリーブオイルの香りがしっかりと立ち、いい余韻を残します」。
パスタは南イタリアを代表するブランド「ガロファロ」の「マファルダコルタ」を使用した。「昨年から日本での取扱いがスタートし、気になっていたパスタです。プリッとした噛み応えが楽しく小麦の風味も強いので、今回のようなコクのあるソースと相性がとてもいい。茹でても崩れない形状の美しさも大きな魅力です」
先にタコのミンチにフルーツトマトやたっぷりのソフリットを合わせたラグーソースを仕立てておく。パスタと合わせる直前にラグーソースへクラシコを注ぎ再度温めることで、タコの香りがふわりと引き立ち、パスタにもソースの味と香りをしっかりと移す。
バジルソースとのコントラストも美しいパスタは立体的に盛り付けることで、マファルダコルタの特徴であるフリルの愛らしさを余すことなく表現。仕上げにひとかけするクラシコが香り立ち、全体の一体感を高める効果も。
二品目は、「モニーニ」の「オーガニック オメガ3・6・9オイル」を使い、家庭でも簡単に作れる夏のレシピを披露した。コールドプレスで抽出された亜麻仁油、キャノーラ油、エクストラバージンオイルをブレンドしたオイルは、「フレッシュで癖がないのでそのままかけてもおいしいし、揚げ物に使うとカラッと揚がる。3種の必須脂肪酸が手軽に摂取できる点も、健康志向の高い今の時代にぴったり。使い方を選ばないので自宅に常備するのをおすすめしたい」とシェフもイチオシのオイルだ。ロングパスタに使うと日本人好みのつるっとした食感に仕上がるが、軽くなりすぎる側面も。そこでザラッとした舌触りで存在感のある「グラニャーノIGPスパゲッティ 1.9mm」を合わせ、なめらかな口当たりと確かな食感の両方を楽しめるひと皿に仕上げた。「粉の味が強いので濃いソースにも合いますが、シンプルなオイル系だとより麺の良さが感じられ、満足感もしっかり得られます」
「オメガ3・6・9オイル」にごく低温でニンニクを香りづけ、ズッキーニのワタを潰しながら素揚げするように炒める。火が通ったらズッキーニの皮とスモークサーモンを入れ、白ワインで乳化させる。
スパゲッティーを加えたら、さらに「オメガ3・6・9オイル」を加える。全体が調和し、ズッキーニのカリウムやビタミンの吸収や、スモークサーモンに含まれる抗酸化作用を促す効果も。
仕上げにも「オメガ3・6・9オイル」を。たっぷりと使っても重さがないので、よりなめらかでするっとした口当たりに仕上がり、ほんのりと香ばしさのある香りも添える。
HATAKE CAFÉ 神保佳永
1977年茨城県生まれ。フランス・イタリアでの修業や都内の数店を経て、2010年南青山にイタリア料理店「HATAKE AOYAMA」を開店。フードコンサルティングとしても精力的な活動を行う。現在は、新宿伊勢丹と日本橋高島屋S.C.新館にカフェ2店舗を展開する。
ハタケカフェ 日本橋高島屋S.C.新館店
東京都中央区日本橋2-5-1
日本橋高島屋S.C.新館4F
TEL 03-5542-1173
10:30 ~20:00(ランチ14:30LO、ディナー19:30LO)
製品に関するお問い合わせ先
明治屋 0120-565-580
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text 君島有紀 photo sono(bean)
本記事は雑誌料理王国2020年8・9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年8・9月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。