9月23日から10月16日の24日間にわたり、全国各地のおよそ550店のレストランが参加し、開催される「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」
開催に先立って行われたプレス発表会では、16人のフォーカスシェフの中から7名が登壇し、イベントへの意気込みを語った。
フランス料理を気軽に楽しんでもらおうとフランス本国で2010年にスタートし、日本での開催は翌2011年から今年で12年連続となる「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク」
今年も北海道から沖縄まで全国各地から約550店ものフレンチレストランが参加し、9月23日(金・祝)から10月16日(日)までの24日間開催。「日本の食文化を応援!トレ・ボン 日本のテロワール」をテーマに、わさび、里芋、山菜などの和食材を取り入れたフレンチのコースが、2,500円、5,000円、8,000円のいずれかの値段で特別に提供される。
さらに今年から新たにフランス国内の魅力的なエリアひとつに焦点を当てて紹介することとなり、「南フランス」も各店舗が提供するコースの共通テーマとなっている。
イベントの開催に先立ち、8月23日にはプレス発表会が行われた。
冒頭ではダイナースクラブ 三井住友トラストクラブ株式会社 代表取締役社⻑ 五⼗嵐幸司⽒が、「サスティナブルや⽇本の⾷⽂化応援、若⼿応援といった⼤切なメッセージを発信しながら取り組んで⾏くことができる、とても特別なイベント」と紹介。また、イベント事務局⻑ ジャン フィリップ・ザーム⽒は、「⽇本とフランスは美⾷の⾯でも⾮常に強い絆があります。それぞれの⾷⽂化はまったく異なるものですが、上質な料理への愛という点で共通しています」と話した。
続いて16人のフォーカスシェフの中から7名が登壇し、イベントへの意気込みを語った。フォーカスシェフは次世代を担う未来の星付きシェフ候補として、北海道、東北、関東、北陸、中部、近畿、中国、九州の8エリアから選抜。イベントのアイコンとして「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」を盛り上げる。
UMAMIフレンチの巨匠として名高い「ARGO」の唐澤豪シェフは今回の特別コースでは南仏料理を取り入れながら、魚は萩から取り寄せる甘鯛、メインには地元新潟の、2週間寝かせた妻有ポークを使用する。その他にも旬の食材やこだわりの食材を使って旨味や香りを取り入れたコースを予定。さらに、食材の火入れや温度帯、食感も感じてほしい、とのことだ。
ラタトゥイユに長野県安曇野池田のシラーや南仏をイメージしたノンアルコールカクテルなども用意しており、窓から見える景色とともに楽しい時間を過ごしてほしい、と語ってくれた。
千葉南房総のいすみ市出身で「いすみ大使」でもある「Cheval de Hyotan」川副藍シェフは、いすみや南房総の食材でコースを組み立てる。彼女が大切にしているのは「自然とともにあること」。私たちが食べるものはすべて自然からの恵みであって、その恵みを届けてくれるのは生産者、その恵みと生産者とお客様をつなぐのが料理人の仕事、と語る。
いすみ市の生産者が教えてくれたという七十二候の言葉の通り、季節感を大切にと心がけ、細やかな季節の移り変わりを感じていただける素材、生産者の顔が見える安心安全な食材を届けることが料理界の本当の贅沢なのではないか、と提言してくれた。
「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」へは姉妹店「Brasserie Laiton」が参加。よりカジュアルな雰囲気の中で、和の食材を使った南仏の伝統料理として「河内鴨のカスレ」をメインにしたコースを提供する予定だ。
本年の最年少フォーカスシェフであり、2021ルージエ レシピコンクール最優秀賞受賞者でもある「タワーズレストラン クーカーニョ」熊⾕友宏シェフは、明確な四季のある日本ならではの旬の食材を最大限に生かすことにこだわっており、お店では普段からプロヴァンス料理を提供している。
故郷である静岡のわさびや鰻、フランスのフォアグラなどを取り入れ、日仏両者のテロワールを感じられる料理を提供したい、と意気込みを語ってくれた。
2021年パテ・クルート世界選手権3位の「a table」中秋陽⼀シェフの料理のスタイルはは、自身で言うところの「今時珍しいクラシックフレンチ」。必ず「フランス人がこれこそフランス料理だね」と言ってくれるようにと考えながら料理しているそうだ。
今回の「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」でもスペシャリテのパテ・クルートをはじめ、日本とフランスの食材を織り交ぜながらクラシックフレンチを提供。さらに、徳島県三次市の祖谷の地美栄(いやのじびえ)から届く国産ジビエなども用いながら、今回のイベントを通じて「フランス料理の文化、素晴らしさ、美味しさ」を伝えたいと語る。また、南仏のアビニョンで修行した経験があり、ローヌのワインに合うような中身でパテ・クルートを用意する予定とのことだ。
「Esterre」は日本で生まれた陸と海の食材を非常に大切にするレストラン。マルタン・ピタルク・パロマーシェフの目標は「食材を余すことなく使い、フードロスを出さないようなお料理を提供すること」だ。
食材についても「素晴らしい柑橘を作る原農園をはじめ多くの生産農家さんに協力していただくことができて幸運に思う」「備⻑炭を使って⿂を調理するなど、和の技術を取り入れてフランス料理を作ることに⼼から喜びを感じている」と話してくれた。そして、「シェフの役割というものは最適な味付けをするだけでなく、サービスを通じて、お客様にユニークな瞬間を体験いただくことが重要」とも語っており、イベントの期間中も「Esterre」ならではのユニークな体験に期待が高まる。
茨城県から初選出のフォーカスシェフが「レストラン 雪村庵」の藤良樹シェフ。「新しい味の創造」を料理哲学とし、食材の組み合わせによって様々な味を想像する。例えば地元の岩ガキにパッションフルーツやココナッツミルクを組み合わせるなど、フランス料理の技法とバスク料理の食材の組み合わせに、茨城のテロワールを出せるような食材を組み合わせて料理する。
「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」では「和食材」を伝えたい、とのことで、梅山豚やフルーツホオヅキ、茨城の豊富な魚介類、目の前の川で獲られたモクズガニや天然鰻などを通じて日本の秋を感じてほしい、と話す。 また、南仏料理として、ゼラチン質の高いアナゴやアンコウ、アジやタイ、ヒラメのようなクリアな味の出る魚を使った茨城のブイヤベースを提供予定。さらに、まだ見ぬ食材を生産者に話をうかがいながら提供していきたい、と目標を語ってくれた。
最後はイベントの公式パートナーでもある山梨県からのフォーカスシェフ、「La Cueillett」の⼭⽥眞治シェフだ。素材に真摯に向き合うことを信条とし、山梨の四季を通して素材に向き合い、そこで生まれる感情や山梨への思いを一皿に表現したい、と語る。
「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク2022」では北杜市山の水農場のキノコをふんだんに使い、南仏の料理「ティアン」をアレンジ。さらに、山梨の地鶏や鹿肉を使った山梨らしい秋の味覚を山梨ワインと、そして葡萄畑が広がっていて晴れた日にはプロヴァンスのようとも言われる景色と一緒に楽しんでほしい、とのことだ。
【「ダイナースクラブ フランス レストランウィーク 2022」とは︖】
9 ⽉ 23 ⽇(⾦・祝)から 10 ⽉ 16 ⽇(⽇)まで開催される国内最⼤級のフランス料理イベント。⾼級イメージのあるフレンチながら、ダイナースクラブ会員だけでなく、誰でもこの 24 ⽇間だけリーズナブルな価格(2,500 円 5,000 円 8,000 円のいずれか ※店舗による)で気軽にフレンチを堪能できることで⼤⼈気。8 ⽉ 30 ⽇(⽕)より⼀般予約スタート。
●公式ホームページ https://francerestaurantweek.com/
text:小林 乙彦(料理王国編集部)