未来の“食のプロ”が集結!「第30回ハットリキッズ食育クッキングコンテスト」開催

未来の“食のプロ”が集結!小学生が本格調理に挑む!「第30回ハットリキッズ食育クッキングコンテスト」服部栄養専門学校が開催 アイキャッチ

食のプロフェッショナルを育成し、食育の普及・啓発を牽引する服部栄養専門学校(東京都渋谷区)は、2025年7月30日(水)、全国の小学生を対象とした料理コンテスト「第30回ハットリキッズ食育クッキングコンテスト」を開催した。

開会式
第30回ハットリキッズ食育クッキングコンテスト開会式

服部栄養専門学校では、前理事長・校長の故 服部幸應氏が長年提唱してきた「食育」の想いが受け継がれている。安全で安心な食べ物を選ぶ能力を身につける「選食力」、家族団らんの大切さ、日本の食文化の継承を目指す「共食力」、そして食料問題・環境問題などを通し「地球の食を考える」こと、これら3つを柱にした「食育」の方針は学校のカリキュラムにも反映されている。

本大会はこの「食育」の考えの基、料理に興味を持つ子どもの増加や調理技術の向上、食や調理を通じた子ども達の心の成長を目的としてスタートし、今年で30回目を迎えた。小学生がひとりで全てをこなすハイレベルな大会として高い注目を集めており、食を通じた五感の育成と、味覚が形成される重要な時期に“本物”の体験を提供する貴重な機会となっている。

今回のテーマは「朝からモリモリ!元気な我が家の朝ごはん」。

全国から108点の応募レシピの中から選ばれた10名の小学生が、服部栄養専門学校に集い、腕を競い合った。

校長・服部吉彦氏を審査委員長に、現役の講師陣が審査員となり、大会は一次審査、二次審査と進められた。料理の技術だけでなく、段取り力、創造性、経済性、そして後片付けまでが評価対象となる。

小学生たちのハイレベルな一次審査

一次審査では子どもたちは、リンゴの皮むき、キャベツの千切り、アジの三枚おろしという規定競技に挑んだ。45分の制限時間の中、子どもたちは肩をすくめたり、深呼吸をしたりしながらも、丁寧に作業を進める。

キャベツの千切り
キャベツの千切り
リンゴの皮むき
リンゴの皮むき
アジの三枚おろし
アジの三枚おろし
アジの三枚おろし完成
アジの三枚おろし完成

下は小学2年生から上は小学6年生。皆、事前に練習を何度も重ねてきた様子だが、特に大人でも難しいアジの三枚おろしには本番の緊張も重なり、苦戦する子どももいた。

それでも、次々と作業終了を知らせるための挙手がなされ、見守る保護者たちからは安堵の表情が見られた。

審査副委員長の服部津貴子氏(服部栄養料理研究会会長)は「皆さん落ち着いて作業していた。包丁さばきを見て、しっかり練習したのだと感じた」とコメントした。

テーマは「元気な我が家の朝ごはん」創造性が光る二次審査

二次審査は「朝からモリモリ!元気な我が家の朝ごはん」をテーマにした、主食・主菜・副菜・汁物の4品を献立にしたオリジナルレシピの調理に挑戦した。制限時間は60分。

調理風景
二次審査の調理風景

具だくさんのスープ、かさ高いサンドウィッチ、鰹節を削ってだしを取った味噌汁など、手の込んだ料理が各テーブルで作られていく。

特に驚いたのは段取り力だ。小松菜を茹でながら他の切りものをする、副菜を先に作る・・・など、落ち着いて同時進行する。日々の食への探究や、本大会に向けた練習の成果を発揮した。

調理風景

家庭のキッチンとは違う環境で調理をこなす様子に、審査員たちは真剣な眼差しを向ける。保護者からも「緊張しているようだが、よく考えて動いている」との声があった。

審査の様子
完成した作品を審査するシェフたち

栄冠は誰の手に?優勝レシピと服部校長が語る食育の本質

優勝に輝いたのは、加藤そらさん(小学5年生・神奈川県鎌倉市)。タイトルは「暑い日こそ元気!色どり朝食」。

優勝加藤そらさんの作品
加藤そらさんの優勝作品「暑い日こそ元気!色どり朝食」

サンドウィッチを主食に、ふんわりとした仕上がりのかきたま汁など、バランスも見た目もよい仕上がりだ。

服部校長と優勝者加藤さん
服部校長と優勝者の加藤そらさん

加藤そらさんの喜びのコメントは以下の通り。

「初めてのコンテストで緊張しましたが、練習通り作る事が出来ました。優勝した時は夢か現実か分からないくらいビックリしましたが嬉しかったです。沢山の人に応援してもらって感謝の気持ちでいっぱいです」

ハットリキッズ受賞一覧
ハットリキッズ受賞者一覧

審査員長の服部吉彦校長は、「印象的だったのは、参加者がそれぞれの出身地の特色ある食材を活かし、その土地ならではの味を大切にして料理を仕上げてくれたこと」、「地域で育ったものを、自らの手で調理し、食すこと。それは体にも心にも優しく、家族や周囲の人々にも元気を届ける”食育”の本質」と話した。

「今回のコンテストに出場されたこと自体が、すでに大きな成果」とし、「数多くの応募の中から選ばれ、この舞台に立たれたことに、どうぞ自信を持ってください」とコメントし、未来あるこどもたちが、「食」の力で社会を明るく照らすことを期待した。

ハットリキッズ食育クッキングコンテスト
https://hattori-kids-shoku-iku.jp/

text:神田えり子

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