六本木「コジト」山田実弘さん直伝!ジビエ調理加工の基本(テリーヌ編)


丸ごと一頭をおいしく楽しむためにジビエ調理加工の基本

ジビエのおいしさは正肉だけではありません。新鮮なレバーやよいだしの出る骨。ジビエを丸ごと一頭、食べ尽くすためのさまざまな技法を、シーズン中はひんぱんに狩りに出かけてジビエを仕入れる「コジト」のシェフ、山田実弘さんに聞きました。

【レシピ】カモのテリーヌリンゴとアンディーヴのサラダと自家製ピクルス添え

余熱でゆっくりと火入れしなめらかな食感を出す

カモの胸、手羽、モモ肉のミンチに、ジュ、レバー、フォワグラ、砂肝、心臓など、さまざまな部位を加えたテリーヌ。自ら狩猟し、さばくことで、食材を無駄なく使えるメリットを生かした一品。ジュ・ド・トリュフとトリュフのアッシェを入れ、さらに深みのある味わいをプラスしている。

[ 材 料 ]
A
カモ胸肉、手羽、モモ540g
B
カモ胸肉(1cmの角切り)360g/フォワグラバター50g
塩16g、白コショウ2.5g、キャトルエピス1.2g、亜硝酸塩2g、砂糖1.3g
C
カモレバー250g/ポルト酒20㎖、赤ワイン20㎖、コニャック20㎖
D
カモフォワグラ100g/塩、コショウ、亜硝酸塩、砂糖、ポルト酒、コニャック各少量
E
卵1個、ニンニク(アッシェ)12g、タマネギ(アッシェ)20g、カモのジュ40㎖、カモの砂肝と心臓(5㎜の角切り)各適量、ジュ・ド・トリュフ30㎖、トリュフ(アッシェ)30g
F
網脂適量/タイム、ローリエ、ネズの実各適量

[ 作り方 ]

1.皮を外し、スジを除いたAにフォワグラバターを加え、二度粗挽きする。角切りのカモ胸肉を加え、Bで3時間マリネする。

2.牛乳で血抜きしたレバーをCで3時間マリネする。

3.フォワグラを1cm角に切り、Dで3時間マリネする。

4.ボウルに1とEを入れ、粘りが出るまでよく練る。フードプロセッサーにかけた2と、3を加え、さらに練る。

5.テリーヌ型に網脂を敷き、4を詰めてFをのせる。アルミホイルとテリーヌ型の蓋をして、冷蔵庫でひと晩ねかす。

6.室温で1時間おいたテリーヌを、180℃のオーブンで10分間焼き、80℃のオーブンで約1時間蒸し焼きにする。室温で40分間冷ましたあと、軽く重しをしてさらに40分間おき、冷蔵庫で締める。

山田 実弘さん
1964年三重県生まれ。フランス修業時代に、師匠と狩猟に行ったのがジビエの原点。帰国後、「マルシェ・オー・ヴァン・ヤマダ」、「アルモニ」、2006年「コジト」オープン。01年に狩猟免許を取得、現在は北海道を拠点に、伊豆などにも赴く。

伊藤由佳子・構成 小林 薫・文 高島不二男・写真

本記事は雑誌料理王国210号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は210号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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