横浜中華街、四川料理の老舗「重慶飯店」。その味はそのままに、フレンチスタイルのサービスでワインと中華のマリアージュが楽しめるのが「重慶飯店麻布賓館」である。料理長の朱衛雄さんは、「銀座鹿鳴春」や「星福銀座本店」などで医食同源を極めたスパイス使いの達人だ。「四川料理で重要なのは辛さと香り。盆地なので夏は高温多湿、冬は厳寒の四川地方では、血行促進や食欲増進のため辛い料理が発達しました。でもここでは日本人の嗜好に合わせて、辛さよりも香りを大事にしたヘルシーな中華を提案しています」
なかでもピーシェン豆板醤や麻辣醤など、四川地方独特の豆板醤や数種の唐辛子を使い、複雑な香りを表現したのが「牛肉と野菜の唐辛子山椒煮込み」だ。仕上げに、刺激の強い朝天辣椒や爽やかな青山椒粒など、さまざまな香りを移した熱々の自家製辣油をかけると、食欲をそそる香りが一気に花開く。塩分や辛味を控えた繊細な味付けは、シャンパーニュやワインとも相性がいいという。暑さ寒さが厳しい四川地方にあって、発汗を促し体を温めることで健康を維持した食の知恵を、健康志向の現代に取り入れたい。
材料(4人分)
牛モモ肉…180ℊ/ハクサイ…40ℊ/レンコン…30ℊ/キクラゲ、セロリ…各20ℊ/ニンジン、エノキ茸、ワケギ…各10ℊ/スープ…250㏄/サラダ油…適量/片栗粉…少量/麻辣醤、豆板醤、ピーシェン豆板醤…各10ℊ/香菜…少量
自家製辣油
朝天辣醤、鷹の爪、青山椒粒…各5g /サラダ油、花椒油…各適量
作り方
濃厚な旨味やピリリとした辛味など特徴の異なる3種類の豆板醤を使い、新陳代謝を促す。仕上げに2種類の唐辛子と青山椒をじっくりと炒めた自家製辣油をかけることで、食欲増進につながる奥行きのある香りに。
重慶飯店 麻布賓館
東京都港区西麻布3-2-34 西麻布ヒルズ1F
03-5771-3680
● 11:30~15:00(14:00LO)17:30~22:30(21:00LO)水木金のみ~23:30(22:30LO)
● 42席
www.jukeihanten.com