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2022年のトレンドは料理&カクテルペアリング【グネ】

フィレンツェを代表するカクテル・ペアリング・レストラン 【グネ】

3年ほど前にフィレンツェの3つ星レストラン「エノテカ・ピンキオーリ」を訪れたときのことだ。注文を終えて食前酒の「ポルロジェ」のロゼシャンパンを飲んでいる時、ふと隣のテーブルが気になった。見るとアメリカ人らしき家族5人が全員とも、メニューを見ながら大ぶりのカクテルを飲んでいるのだ。男性はマティーニ、女性はブラッディメアリー。レストランでの食前酒にワインではなくカクテルを選ぶとはさすがアメリカ人と思ったものだ。

しかしそれからわずか3年足らずのうちに様相は一変した。クラフトジンやクラフトリキュールなど「メイド・イン・イタリー」のスピリッツやリキュールが数多く登場し、オリジナリティあふれるカクテルを出すバーも全国規模で現れ始めた。するとレストランでもワインペアリングだけでなくカクテルペアリングを提唱する店も誕生しはじめたのだ。フィレンツェのサンフレディアーノ地区にあるレストラン「グネ」はフィレンツェを代表するカクテル・ペアリング・レストランだ。

オーナー:ニコラ・ランゴーネ氏(右)、シェフ:ミルコ・マルゲーリ氏(左)

オーナーは南イタリア、バジリカータ州出身のニコラ・ランゴーネ。一風変わった店名の「グネ」とは古代ギリシャ語で女性の意味。南イタリアの勤勉かつ快活な女性への敬意がその店名には込められている。実際に「グネ」に足を運んでみると、スカイブルーをメインカラーとした店内の壁を飾るのはオードリー・ヘップバーンやソフィア・ローレンなど映画女優をモチーフにしたアートワークだ。

トスカーナ&バジリカータ両州の斬新なメニューに合わせたカクテル

そして女性バーテンダー、エレオノーラ・ロモリーニが料理に合わせたカクテルを作ってくれる。料理を担当するシェフは、地元トスカーナ州出身のミルコ・マルゲーリ。ミルコが提案するのはトスカーナ&バジリカータ両州の良い部分をいいとこ取りした斬新な料理。コースメニュー「メニュー・デグスタツィオーネ」は5皿コースが₡65(約8450円)、料理にあわせたペアリングはワインが₡40(約5200円)、カクテルが₡35(約4550円)さらに7皿、8皿のコースもあり、飲み物もそれに合わせて増えてゆくシステムだ。

バーテンダー:エレオノーラ・ロモリーニさん

テーブルを美しく彩る5皿のコース料理

アミューズのフィンガーフードのあと、5皿のコースで最初に登場したのは温かい魚料理で「HUGO スズキ、サンブーコ、ミント、キノアの塩キャラメルチップス」。一方カクテルは料理と同じサンブーコを使ったリキュール「サン・ジェルマン」、ジン、ラベンダー・ビターを使ったシャルトリューズのようなニュアンスの「B.B.(ブリジット・バルドー)」。魚料理にカクテルというのは意外な組み合わせだがこれがじつによくあう。

HUGO スズキ、サンブーコ、ミント、キノアの塩キャラメルチップスx
B.B.(ブリジット・バルドー)

次の料理は「牛タンのペポーゾ」でペポーゾとは牛肉をワインと黒胡椒で長時間煮込んだフィレンツェの伝統料理。ホーシュラディッシュのソースがアクセント。これにはバーボンとホースラディッシュを漬け込んだウォッカ、ワイルドベリーのリキュールで作る甘くてスパイシーな「Wild Boulevard ワイルド・ブルバード」ワイルドベリーの綿飴も添えられていて遊び心いっぱい。

牛タンのペポーゾxWild Boulevard ワイルド・ブルバード

次ページ:カクテルペアリングならではの「演出」と「魅力」



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