<宮城県>進化する食材の宝庫を巡る【メカジキ】【パプリカ】


宮城を代表する食材として有名な牡蠣、せり、そして日本一を誇るメカジキやパプリカ。宮城県産の食材にこだわる料理人黒森シェフがその産地を訪ね、特産物に新しい物語を紡ぎ出す生産者を巡る今回は、「メカジキ」と「パプリカ」をご紹介します。

大トロやぶりに匹敵する魚郷土で愛されるメカジキは特別な海のごちそうだ

宮城県の北東端に位置する気仙沼はカツオやサンマの街として知られるが、もうひとつ有名なものがある。それが日本一の水揚げを誇るメカジキだ。

【メカジキ】

スズキ目・メカジキ科に分類されるカジキの仲間。成長すると体長4~5mになり、大きい個体は体重約400㎏にもなる。高級食材として知られ、部位によっても味わいがそれぞれ違う。

戦後、マグロの延縄漁の発展と共にメカジキの漁獲量は増え、地元では身近な食材として親しまれてきたという。気仙沼で水揚げされるメカジキは赤イカなどを主食にしているため、味の良さにも定評がある。それが気仙沼ブランドと言われる由縁だ。

ことに秋から冬に獲れる通称〝冬メカ〞はたっぷりと脂を蓄え、旨みが濃厚。欧米などでもポピュラーなメカジキは洋食のイメージが強いが、メカジキを知り尽くす気仙沼の人々は「刺身や煮つけが旨い」という。まったりと脂がのった刺身はとろけるようで、身質がぶりに似ていることから、最近ではしゃぶしゃぶでも食べられている。「脂がのった刺身はマグロの大トロにも匹敵するので人気が出そうですね」と黒森シェフも刺身が旨いことを広く知って欲しいという。

気仙沼漁港では1年を通じてメカジキが水揚げされている。
メカジキの漁に出るとひと月は帰らないため家族の見送りも盛大に行われる。
メカジキの漁に出るとひと月は帰らないため家族の見送りも盛大に行われる。
水揚げされたメカジキは尾の部分を見て肉質の良しあしや脂ののりを推し量る。
メカジキの身はややピンクがかった白色で透明感のあるものがいいとされる。
メカジキの身はややピンクがかった白色で透明感のあるものがいいとされる。
地元で愛される「メカジキのかまの煮つけ」は、まるで角煮のように脂がのっていて食べ応えがある。
地元で愛される「メカジキのかまの煮つけ」は、まるで角煮のように脂がのっていて食べ応えがある。
メカジキの調理法について市場のプロと意見を交わす黒森シェフ。

気仙沼遠洋漁業協同組合
宮城県気仙沼市港町502-1
TEL 0226-22-2744

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