<宮城県>進化する食材の宝庫を巡る【メカジキ】【パプリカ】


【パプリカ】

パプリカは赤、黄、橙の色でそれぞれ異なる抗酸化成分を含む。流通する約9割が輸入品だが、希少な国産パプリカは収穫から出荷までを短期間で行えるためフレッシュで瑞々しいのが特徴。

鮮度が命の瑞々しい国産パプリカは次世代型農業がその未来を担う

光を最大限に取り込むガラスハウスの中にパプリカの生産に適した環境を作り、人の手によって収穫する。
光を最大限に取り込むガラスハウスの中にパプリカの生産に適した環境を作り、人の手によって収穫する。

宮城県はパプリカの生産量も日本一。外国産が多く流通するパプリカだが、最近では鮮度のいい国産パプリカが出回るようになってきた。その理由は生産量の飛躍的なアップにある。宮城県内ではここ10年ほどで大型ハウス栽培による生産の拡大が進んでいる。ガラスハウスによるパプリカ栽培を行う「デ・リーフデ北上」もそのひとつ。「オランダの栽培方式を取り入れていますが、効率を求めるのではなく、これまで農家で培われてきた品質を再現することを突き詰めていきたい」と総務部部長・阿部淳一さんはいう。台風などの気候に左右されない安定した収穫が望め、勤務時間が8時30分から16時という人に優しい農業でもある。

「年間を通して同じクオリティというのも素晴らしい。異常気象のこともあるので、これからを見据えた農業のありかたですね」と黒森シェフ。その上で露地ものに限りなく近いクオリティを再現して欲しいと付け加えた。「それも将来的には可能と考えています」と阿部さんも力強く頷いた。

豊かな資源をベースに柔軟な発想で挑戦する宮城の生産者たち。その食材が黒森シェフのような料理人と出会い、魅力ある食文化へと繋がっていくのだろう。

再生可能な資源である木質バイオマスや地中熱利用のヒートポンプを活用し、持続可能な次世代型農業により生産される。
再生可能な資源である木質バイオマスや地中熱利用のヒートポンプを活用し、持続可能な次世代型農業により生産される。
パプリカは150gほどのMサイズ。
パプリカは150gほどのMサイズ。
阿部さん(左)と黒森シェフ。

株式会社 デ・リーフデ北上
宮城県石巻市北上町橋浦北釡谷崎226
TEL 0225-67-2046

楽・食・健・美-KUROMORI
黒森洋司

1976年神奈川県生まれ。西麻布「香港ガーデン」で香港出身の師匠から広東料理と点心を学ぶ。「福臨門魚翅海鮮酒家(二子玉川店)」にて同グループ初の日本人料理長に就任。2011年に宮城県へ移住し、地元の生産地巡りを続けている。

【お問合せ先】 
宮城県農政部 食産業振興課 
TEL 022-211-2813 https://foodkingdom.pref.miyagi.jp

text: Jun Okamoto photo: Shingo Miyaji

本記事は雑誌料理王国319号(2021年12月号)の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は319号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは、現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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