HAL YAMASHITA 東京 山下春幸
「素材が持っている臭みは、デメリットとは限りません。くさやなどのように、臭みが旨みとなる場合もある。僕はもち麦も同じだと感じたんです。精白米ともち麦の割合は7対3と推奨されているけれど、あえて、もっともち麦の割合を増やしてもいいのではないかと思い、実際にいろいろと試してみました」
行き着いたのは、精白米4に対して、もち麦6。「もちもちもち麦ごはんの和牛しゃぶしゃぶ茶漬け」のごはんも、その割合で炊いた。
ポイントは、上からかける「お茶」。単なるお茶ではなく、牛テールでとった出汁に、抹茶を加えた。ほのかにただようお茶の香りと、コクのある出汁の味わいが、もち麦独特のにおいを旨さに変える。
「黄ニラや奈良漬けなど、クセの強いものをわざと合わせて、麦らしさを引き出しました」
60%のもち麦ごはんの上に、ゴマなどで和えた牛肉スライスや黄ニラ、奈良漬けをのせる。抹茶を入れた牛テールスープをかければ、高級感ただよう「麦ごはん茶漬け」 の完成だ。
(A)はくばくもちもち大麦…6パック(360ℊ)/白米…160ℊ/水…550㏄
(B)牛テール…1㎏/水…2ℓ/日本酒…500㏄/もち麦…1パック(60ℊ)/白ネギ…適量/生姜…適量
(C)胡麻ペースト…150 ℊ/胡桃ペースト…150 ℊ/濃口醤油…50㏄/煮切り酒…70㏄/味醂…10㏄
(D)しゃぶしゃぶ用和牛肉スライス…60ℊ/黄ニラ…1束/奈良漬(きざみ) …適量
(E)テールだし汁…400㏄/抹茶…4ℊ/海塩…少々/薄口醤油…少々/日本酒…大さじ1
1. (A)の白米を洗い、もち麦と合わせて炊く。
2. (B)を鍋に入れ3時間煮出し、あくをとりながらだし汁をとる。
牛テールで出汁をとる
牛テールと日本酒、もち麦、白ネギ、ショウガを入れて、牛テールスープを作る。3時間ほど煮だし、アクを取りながら出汁をとっていく。
3. (E)の『茶』を作る。
抹茶を振り入れる
牛テールでとった出汁をきれいに漉して、海塩、薄口しょう油、日本酒で味をつけ、最後に抹茶を振り入れる。
4. (D)の牛肉を(C)で和える。
牛スライスに味をつける
しゃぶしゃぶ用の和牛肉スライスをゴマペースト、クルミペースト、薄口しょう油、煮きり酒、みりんで和えて、味をつける。
5. 茶碗にご飯、4を盛り付け、黄ニラ、奈良漬を添える。
Haruyuki Yamashita
1969年、兵庫県神戸市生まれ。大阪藝術大学卒業後、世界各国で 修 業を積む。2003年より「NADABAN 神戸元町」「HAL YAMASHITA 東 京」「トップテーブル 東京スカイツリータウン」「HAL YAMASHITA 大阪梅田」
などを次々オープン。著書に、『レストランは小さなビジネススクール』(アスコム出版)がある。
HAL YAMASHITA 東京
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text by Kanami Okimura photographs by Gaku Yamaya
本記事は雑誌料理王国第174号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第174号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。