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パリを体験する2時間!「本気度」全開のビストロ【EN FACE】


人形町は甘酒横丁の裏手、路地に漏れ出す温かい色の光の奥に、「本気でパリに来てしまった」気分を楽しめるビストロ空間がある。オープンは2019年9月、亀山知彦シェフが1人で切り盛りする。

亀山知彦シェフは調理とサービスを1人でこなす。東京・大門の「レ ピフ エ ドディーヌ」では2016年から3年間、ミシュランガイドのビブグルマンを守り、独立した。

「本気度」の高い店に出くわした時ほど愉快なことはない。
ベーコンなどの加工肉やシャルキュトリはすべて手作り。「自家製じゃないのは生ハムとパンだけ」という本気度にまずは驚く。注文した料理が登場するとそのボリュームの本気度に心が踊る。山と盛られる生ハム、大きなカッティングボードにずらりと敷き詰められたシャルキュトリ…まるでパリのビストロと肩を並べる盛りっぷりだ。シェフ自ら「うちのはエグい(=量が多い)ですよ」というカスレをクローネンブルグで流し込みながら話を聞けば、「(フランスの南西部に位置する)ラングドック地方は、白インゲン豆とフォアグラの名産地。フォアグラの副産物として残った鴨の肉をコンフィにして保存し、冬場に豆と煮込んでカスレとして食べるんです」という具合に、郷土の食文化的な知識も分けてくれる。

27歳で渡仏、本気のビストロ料理を5年間で体得した亀山シェフ。料理だけでなく「ビストロの文化」を根っこから伝えたいという本気度が、身体から発散しているかのようだ。毎日手書きで黒板に記されるメニューはざっと30。…あと10回は来ないとなぁ。日本橋に愉しみがもう一つ増えた。

イタリアは「ベルケル」社の手動スライサーで極薄に切ったパルマのプロシュートは、その名も「切りたて生ハム」(980円)。添えられた柿と合わせると異次元の美味しさ。
頬、耳、鼻など豚の顔肉を混ぜてつくる「ブーダン・ノワール」(1,100円)はガラスのジャーに入れて供される。+500円の瓶代追加でお楽しみを持ち帰ることも可能。
具のうま味をビネグレットの酸味が引き締める「リヨン風サラダ」(1,800円)。ベーコンや砂肝コンフィだけでなくクルトンまで自家製、という本気度に頭が下がる。
豚の三枚肉と耳、自家製のソーセージ、砂肝のコンフィがゴロゴロ入り、鴨モモ肉のコンフィを冠に戴く「カスレ」(3,500円)。本気度に満ちたボリュームが嬉しい。

EN FACE(アンファス)

東京都中央区日本橋人形町2-11-9
18:00 ~ 24:00
水休
予約は以下のメールにて受付。返信に時間を要する場合もあるため余裕を持ってご連絡を。
[email protected]


text 小林淳一 photo 鈴木泰介

本記事は雑誌料理王国2020年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年2月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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