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ミシュランガイドで5年連続ビブグルマン獲得の名店。日本橋『YAMATO』で楽しむ炉端焼き


あえて“相席”を選ぶのも一興だ。見知らぬ人と炭火を囲み、食材が焼かれる香りに包まれながら、一献。女将の味わい深い接客に心が解け、目が合えば隣席と会話が弾み…。そんな心温まる時間が幕を開ける。

人形町から隅田川方面に歩を進め、路地も落ち着いた雰囲気になる頃合いに見えてくる干物柄の暖簾が目印だ。ミシュランガイドで5年連続「ビブグルマン」に選ばれている「YAMATO」の名物は、店内の大きなテーブルに備えられたいくつもの七輪で、旬の食材を目の前で焼いて楽しむ炉端焼き。
実家が栃木の川魚屋だったという大将の水井孝之さんは、幼い頃から炭火焼に親しんでいたこともあり「気になった食材はとりあえず炭火で焼いてみる」。醤油の染み込んだ玉こんにゃくを炭火で炙るというのも、オリジナルのアイデアだ。

店内で一夜干しされた「剣先イカ」(600円)や「うるめいわし」(600円)など旬の干物。
冬季限定メニューの「下仁田ねぎ」(1本500円)は、「入荷しました」の看板が出るほどリピーターが多い一品。なかなか出会えない3Lサイズの極太ねぎは、食べごたえ抜群だ。
外からは格子ごしにその姿がちらりと覗き、ついつい店に足を踏み入れたくなる。
一品目に注文したいのが「小さな大根 自家製とうばん味噌添え」(500円)。葉っぱまで食べられる姫大根を、鶏肉、豆板醤などを練ったピリ辛な特製の肉味噌で味わえる。

冬にしか味わえない美味がある。「下仁田ねぎ」だ。極太で身の張った下仁田ねぎは、まわりを焦がすように20分間かけて炙る。ねぎの中心からジュースが溢れ始めたら食べごろ。濃厚な甘味とうま味で口中が埋まる逸品に。冬になればこの体験を目当てに訪れる人がほとんどだという。

客席は「お客さん同士が仲良くなってくれたら」という大将の思いから、あえての相席スタイル。見知らぬ人との心温まる距離感も「この店を訪れる価値」。隣のお客が注文した食材が気になったら、それが会話の緒。躊躇は不要、女将が必ず間を取り持ってくれるから。

YAMATO(ヤマト)

東京都中央区日本橋富沢町16-3
TEL 03-3661-8010
月~金 17:30 ~ 22:30 LO
土祝日 17:30 ~ 21:30 LO
日休


text 稲垣恵美 photo 鈴木泰介

本記事は雑誌料理王国2020年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年2月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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