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「自然派ワイン」といえば必ず名前が挙がるビストロ。


「自然派ワイン」といえば必ず名前が挙がるこの店は、それがどのような過程でつくられたのか?を大切にする。「選び抜く」という言葉の意味を噛み締められるビストロだ。

直近2週間で生産者と直接会った醸造所のワインだけでも3種を選んでくれる林さん。つくり手とコンタクトを取るというのも「過程」を大切にする証だ。

自然派ワインは「細胞で飲むワイン。カラダがおいしいと言うか否かで選べばいい」。オーナーソムリエの林真也さんが信じる「良いワイン」の基準がとても心地よい。「PARADISE」と書かれた木製のドアの向こう側には常時500種類を超えるストックが眠っているというが「どのワインもなるべく試飲して自分で理解してからお客様に提供したい」というスタンスなので安心感があるのだ。

林さんは「ものごとの過程」を大切にするようだ。フランスはサヴォワ地方の農家でぶどう栽培を学んだのも「ソムリエという職業を選んだのでごく自然の成り行き」。ワインだって生産過程で余計なものをできるだけ使わない銘柄を選り抜く。メイ ン料理の加熱過程に使う火力も「カスレ以外はすべて炭火焼きです」と徹底的。オリーブオイルやブラックペッパーなどの調味料や香辛料、そして食材も、誰がどのように作ったのか?を理解したうえで提供する。

ワインに充てがうのは「ビストロ料理ではなく農家料理です」と林さん。訪問したワイン農家で味わった料理の美味しさや感動をお客にシェアする感覚に近いのかもしれない。店名はフランス語で「鋤」の意。そういえば農業では土をおこす“過程”で欠かせない道具だ。

「白子と白菜のブレゼ」(2,680円)。北海道の無農薬白菜の上に白子を乗せ、鉄鍋で蒸し焼きにして焦がしバターを回しかけただけ。バターと白子の相性の良さにため息…。
「エゾ鹿のモモ」(時価)はブロックのまま炭火で加熱。塩はミネラル豊富なパキスタンの岩塩、胡椒はカンボジア産を粗挽きで。サラダの野菜は信頼を寄せる農家より。
無農薬の花豆を使った「カスレ ピヨッシュ風」(2,800円)。自家製のソーセージは2日間ワインセラーで干して水分を抜き、骨太な食感に仕上げる。ポーションも骨太だ。

La Pioche(ラ・ピヨッシュ)

東京都中央区日本橋蛎殻町1-18-1
TEL 03-3669-7988
17:30 ~ 23:00LO、土・日・祝日16:00 ~ 23:00LO
不定休


text 近藤由美 photo 鈴木泰介

本記事は雑誌料理王国2020年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年2月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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