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【新型コロナウイルス特別企画】パンデミックに直面した海外で活躍するシェフ6人の視点#1(レネ・レゼピさん Noma)


本記事は、5月7日(木)発売の料理王国6・7月合併号緊急特集「コロナ時代の食の世界で新しい「ものさし」を探しに。」に掲載中の記事から、現在の状況を鑑みて特別に公開するものです。

「人々が以前のように旅や食を楽しむのは2022 年以降 noma3.0 を考え中……」

政府の支援もあり、ノマは今の所、誰も解雇していませんし、年内は大丈夫でしょう。まず守るべきは人。週ごとのローテーションで厨房に来て、スタッフ70人全員分の3食の食事を作っています。

コロナにより、ファインダイニングの価値観は大転換したと思います。ごく少数のゲストが4~5時間も座って美食に耽溺するスタイルのレストランは、時代遅れになるのではないかと感じ、先日共同経営者を集めて、次のノマ、Noma3.0をどうしていくのかの会議を行ないました。今後人々が外に出られるようになって、誰かと充実した時間を過ごそうと切望している時に、これまでに提供してきたような20コースのテイスティングメニューはそぐわないでしょう。多くの人に扉を開いて、お互いに癒しあえるようなスタイルにしていこうと思っています。短期的には、こういったより自然なレストランの形が受け入れられて行くでしょう。

人々は、誰かと食事をするという行為自体や、質の良い食事を賢くとること、周りの人々を支えることに、お金を払うようになっていく。収入が減る人が多いでしょうが、代わりに服をたくさん買ったり、最新の携帯を買うことを控えるようになると思います。

ノマでは、2021年までは、50 ~75%ゲストが減ると試算し、人々がコロナ前のように自由に旅をして食を楽しむのは、2022年以降になると考えています。そして、5年から10年という期間を経て、人々は元のような美食のスタイルに戻っていくと思います。

コロナ後は、何に、どのようにお金を使うのかについて人々はもっと配慮するようになり、自然環境に感謝するようになるでしょう。環境問題もコロナと同じく、現代における悲惨な問題です。その違いは、コロナウイルスは目の前にありますが、気候変動は目の前で起きているのに、散発的で部分的に現象が起きていて、よく見えないことです。生産性だけでなく、より良い市民として行動する重要性が注目されてくるでしょう。

レネ・レゼピ
(noma)

2014年までに「世界のベストレストラン50」1位を4回獲得。新北欧料理の先がけとなった。2018年から「Noma2.0」として営業。


text 仲山今日子 photo Ditte Isager

本記事は料理王国2020年6・7月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 2020年6・7月号当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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