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パナソニックが温めている未来の「カデン」とは?


パナソニック「ゲームチェンジャー・カタパルト」が温めている未来の「カデン」

フードテック界隈で事業化を望む声が高いのが、味噌のキットデリバリー「Ferment 2.0」だ。手がけたのは、パナソニックの新規事業開発プログラム「ゲームチェンジャー・カタパルト(以下GCカタパルト)」。大企業の中で「発射台」が担う役割と、進行中の未来の「カデン」とは?

 この4年間で検討したアイデアは180。「そのうち約3割は食関連です」と、プログラム「GCカタパルト」の活動を説明するのは、パナソニック株式会社アプライアンス社ゲームチェンジャー・カタパルト事業総括の真鍋馨氏。パナソニック内の部署の垣根を超えたメンバーが参加する「GCカタパルト」は、自らのアイデアで社会課題を解決したい熱い思いを抱えた社員にとっての「発射台」だという。「大切にしているのは情熱とスピード。大企業という大きな組織で新規事業開発をスピーディーに進めるのは制約が多くなかなか難しい。そんな中、スピード重視の私たちは、徹底した顧客視点でアイデアを磨き、プロトタイプの段階で世に出し、その反響や共感に後押しされながら改良を重ねるスタイルです。社外の方たちとの共創も特徴ですね」。そのひとつが、大手味噌メーカーと共同開発した「Ferment 2.0」だ(現時点、事業化はされていない)。

2018年のSXSW(サウス・バイ・サウスウェスト)でも話題を集めた味噌のキットデリバリー「Ferment 2.0」。温度センサーにより、味噌の熟成状況をアプリで確認できる。

また、「GCカタパルト」から見事に発射し、現在、フードテックの空を順調に飛行しているのが「デリソフター」を手がけたギフモ株式会社だ。

アイデアの宝庫「GCカタパルト」では、前述のプロダクト以外にも食にまつわるプロトタイプが多い。その理由を真鍋氏は、「生活者の一人ひとりの困りごとや願いに寄り添うことが、社会課題の解決につながると考えていますが、その『困りごとや願い』の割合が身近な食のシーンに多いからでしょうか」と分析する。「イノベーティブ系のシェフの方や、ウェディングを扱うレストランからよくお問い合わせをいただくのが『DishCanvas』で、料理の表現を拡張するディスプレイを搭載したお皿です。また、手で握ったようなふんわりしたおにぎりが作れる『OniRobot』は次世代型飲食店として、おにぎり店『ONIGIRI GO』を今年の2月に開店(現在、再開準備中)。 withコロナ時代の新しい飲食店の形態で利益を上げるための検証を重ねています」。未来の「カデン」を生み出す発射台は、今日も困っている「誰か」のことを思いながら活動している。

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text 浅井直子

本記事は雑誌料理王国2020年12月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年12月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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