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「パティスリー界のピカソ」ピエール・エルメが伝授する、成功の秘訣とは?

ピエールエルメの洋菓子

「時代のニーズ」に応えるのでは、すでに「時代遅れ」。新しい試みを提案して、ゲストの味覚に合うデセールを。

パリと東京を拠点に多店舗を展開し、つねに斬新な企画と完成度の高い味を追求するピエール・エルメさんは、今、世界が注目するパティシエ、ショコラティエのひとりだ。芸術性の高いデセール(デザート)、あるいは超一流のシェフたちとリサイタル形式のコラボレーションディナーを開くなど、独自のアプローチから、「パティスリー界のピカソ」とまで言われる。そんなエルメさんにインタビュー。ショコラ好きのゲストたちを虜にする秘訣とは?

クリエイティブなショコラティエには、食文化や歴史、素材などに対する幅広い知識が求められる。

昔はミルクチョコレートとブラックチョコレートの区別しかなかったが、今は、カカオの産地やパーセンテージの異なるさまざまなチョコレートが多数販売されている。「バー・ショコラでは、その違いをゲストに実体験してもらいたい」と語る。

──自分の嗜好を認識し、それに合わせたデセールが味わえるというのは、新しいだけでなく非常に特別感がありますね。

そうなんです。しかも、そのデセールの仕上げをパティシエが行いますから、本格的な味を堪能していただけると思います。店内に流れるBGMはオリジナルサウンドで、美しさと機能性を備えたテーブルウエアなど、大人の空間創りにもこだわりました。ここでのゲストの体験を、われわれは「チョコレートの味覚の旅」と呼んでいます。

──なぜ、そのようなことを思いつかれたのですか?

パリでも日本でも高級チョコレートは人気で、ひとつのブームにもなっています。今やチョコレートは、大切な方へのプレゼントの筆頭にも挙げられるのではないでしょうか。
また職業としてのショコラティエが注目されるなか、一般の方々のチョコレートに対する知識量も増えています。ところが、その知識に体験が伴っていないように思えます。
実際、チョコレートは、カカオの産地や含有率の違いによって、香りや味、食感が変化します。それを体験していただくことによって、チョコレートへの関心が高まり、もっとチョコレートを好きになってもらえるのではないかと考えたんです。

勉強に終わりはなく、私は今でも学んでいます。
学び続けると、次々にテーマが生まれます。

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