2024年12月3日
キャベツの甘味と香り高い
ペルドローが互いを引き立て合う
19歳で渡仏し、地方を中心に12年間修業。帰国後、32歳という若さで「レストラン ラ フィネス」を開店した杉本敬三さん。昨年は、35歳以下の料理人を発掘するコンペティション「REDU-35」で、見事グランプリを獲得した注目の実力派だ。「伝統的なフランス料理をベースに、分解、再構築するのが自分のスタイル。尊敬する師匠はいますが、誰にも師事せず、レシピも持たない。自分がおいしいと思うものだけをお客様に提供していきたい」と語る。
今回、杉本さんが披露したのはペルドローとキャベツの伝統的な組み合わせ。ブレゼしたキャベツに焼いたペルドローを入れ、余熱でゆっくりと火入れすることで、美しいロゼ色に仕上げるのがポイントだ。筋肉質でしっかりした歯応えのモモ肉、しっとりとやわらかいムネ肉、ねっとりとしたササミの異なる食感が楽しめる。ソースは、ペルドローと相性のいいマッシュルームをガラの2倍入れ、旨味を凝縮している。「ジビエは環境やエサによって個体差が大きい。それをどう料理するか、判断することもジビエの醍醐味。自分も大自然に立ち向かう姿勢で挑んでいます」と杉本さん。
text 小林薫 photo 富貴塚悠太
本記事は雑誌料理王国第235号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第235号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。