2024年5月29日
雑誌『ポパイ』2018年4月号には、平野紗季子さんが責任編集したA6サイズ108ページの特別付録「味な店」がついていた。レストランから立ち飲み居酒屋、喫茶店を新しい切り口で紹介した小冊子の効果もあり、この号はなんと完売。現在、入手困難なこの冊子は、平野さんの小文で始まる。「ここにしかないものは尊い。突き詰めるとそれは『自分は誰なのか、だから何をするのか』ってことになると思う」――。「『オステリア・フランチェスカーナ』のマッシモ・ボットゥーラさんは、eat the emotion(感情を食べる)と言います。『ほんのひと握りのシェフが、作り手の感情まで食べることができる料理を作っている。それを僕はしている』と。多様な文化を取り込んで、食文化をアップデートし続ける彼の存在は、食とエンターテイメントを考えるひとつの例と言えると思います」
食は調理技術も必要であり、歴史やカルチャー、サイエンスも含まれる。レストランとして見れば、建築やアートでもある。だからこそ「食は総合芸術の最高峰だ」と考える平野さんの「惹かれるシェフ」像とは。
平野さんの惹かれるシェフの法則とは?