梅雨入り前のこの時期、わずか数日ですが、1年で一番爽やかな季節ですね、東京は。最近はクラフトビールの流行で、街をちょっと歩くと、こんなところにもビールの仕込みタンクがあった! と驚くことがあります。コロナ規制もだいぶ緩くなった感じで、まだ注意は必要ですが、この気持ちの良い季節を楽しむための食事に出かけたくなります。
そんな時、街で偶然発見したクラフトビールで軽く一杯という感じもいいですが、日本橋や銀座を見下ろす眺めが最高のマンダリン オリエンタル 東京のピッツァバーon 38th でクラフトビールを片手に、カウンターピッツァを楽しむのはいかがでしょう。
「ここのピッツァは持ち帰って、次の日に食べても美味しいです。軽やかな進化系のピッツァだから」と教えてくれたのが、今回のイタリア特集の監修をしてくれたフィレンツェ在住のジャーナリストの池田夫妻。イタリアでは、ナポリのピッツァがどんどん進化して、さまざまな形のピッツァが誕生していて人気だそうです。特にイーストの量を極限まで減らし、独自に調整した粉を使ってお腹に優しい軽やかなピッツァに仕上げる。それが最新のピッツァ事情。詳細は、その進化系のピッツァをピッツァバーまで作って実践しているダニエレ・カーソンシェフが語ってくれている6月号をぜひご覧ください。
ナポリ式とは違った新しいピッツァは、トッピングにも今までとは違ったこだわりがある。というより自由な発想でトッピングするので、焼いた後に生の素材や別に調理した具材を乗せるので、ほとんど何でもありという楽しさがあるというのです。この新しいピッツァはグルメピッツァとかピッツァコンテンポラリーと呼ばれているそうで、日本では、ダニエレシェフがいち早くマンダリン オリエンタル 東京のイタリアンダイニング「ケシキ」のコーナーに、席数わずか8席のカウンターピッツァバーを作って始めました。
寿司バーをイメージしたピッツァバーでは、季節ごとの日本の旬の食材がトッピングされて供されます。常連になると、即興でサプライズトッピングを考えるという楽しさもあるそうです。確かに今まで食べたことがない軽やかな食感と、これもピッツァかという驚きも一緒に味わえました。これはぜひ一度実際に行って味わってみるしかないと思います。
ということで、料理王国6月号は丸ごとイタリアン号。アート作品のような料理写真は、書店でぜひご覧ください。web版料理王国でもご覧いただけます。実は、ダニエレシェフ、去年の8月号のパンの取材で伺った時にご挨拶して料理王国を渡したら、「とても美しい雑誌ですね。参考にしたいので、僕は定期購読します」と言ってスマホを操作。その後、「今、定期購読申し込みました」と。なんと、その場で定期購読を申し込んでいただきました。ありがとうございます。この即断即決の実行力が、マンダリン オリエンタル 東京の総料理長で飲料施設のシェフチームを牽引する力の源なのですね。