2025年3月31日
フードロスの削減や伝統的な地域食文化の再発見など、食を通した社会課題への取り組みが注目される近年。そんな潮流の表れの一つとも言えるのが、レストラン自家製の調味アイテム。食材を無駄にせずに使い切り、未知なる美味しさを表現する、シェフのアイデアをご紹介します。
新潟県南魚沼市にある「里山十帖」は、広大な自然に心身を浸すことができる宿。周囲で収穫される素材を用い、かつ同地の伝統的食文化を反映した料理を提供することが、この宿の大きな魅力である。桑木野恵子さんは、シェフとして2018年以降、里山十帖の厨房を率いる。
桑木野さんが里山十帖に入ったのは2014年のこと。その時は、使うことのできる食材の種類が非常に限られていることに何よりも驚いたという。「用いる食材は地域のものに限定する、というのが社長の岩佐(岩佐十良氏)の考え。特に冬など、野菜は保管しておいたキャベツ、人参、じゃがいも、大根などだけ。苦労しました」。
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text: Izumi Shibata photo: Hiroyuki Takeda