一度は足を運ぶべき新旧の名店から、地元の食のプロが密かに通う「知る人ぞ知る店」まで、専門家におすすめのお店をアンケート。高級店からカジュアル店までご紹介します。
QUESTION 1
台東区、江東区、中央区(銀座を除く)で好きな飲食店を軒と、その理由を教えてください。
QUESTION 2
レストラン以外で好きなお店を、台東区、江東区、中央区(銀座を除く)でで軒教えてください。
浅草の「すき焼ちんや」の肉は少し厚めで、噛んだ瞬間に旨味が感じられるよう。割り下の塩梅が、ごはんの友として最高です。根岸の「笹乃雪」は、豆腐料理専門店。初代・玉屋忠兵衛は京都で宮家御用達の豆腐屋を営み、絹ごし豆腐を発明した人物です。谷中の「すし 乃池」では、東京湾の穴子を使った穴子寿司をいただきます。穴子はふっくらとろりとした食感です。あともう一軒挙げるとしたら、浅草の完全予約制の鳥鍋屋さん「鳥多古」。お客様が入ると鍵をかけてしまうユニークなお店で、こちらも好きなお店のひとつです。
亀戸天満宮のすぐ隣に本店を構える老舗「船橋屋」の名物であるくず餅は、450日かけて作られる発酵食品。小麦でんぷんから作られています。
風情ある木造家屋の老舗「鳥栄」の鳥なべはいつも変わらぬおいしさ。 100年以上同じ味を保ち続けていることに敬服します。席は2階のみで、お座敷席です。三越前と人形町の間にある「仁行」は、細切りの十割蕎麦がおいしいお店。ご主人の石井仁さんは、喉を通る時のしなやかさ、細かく砕いた松茸のような食感(柳腰)を理想とされています。ランチタイムと夜20時以降には単品メニューも楽しめます。中華では、浅草ビューホテル向かいの「龍圓」も、好きなお店です。「トリュフ塩のかに玉」などといったお料理からは、ご主人の栖原一之さんの創意工夫と一生懸命さが伝わってきます。
フランス菓子で好きなのは、京橋の「イデミスギノ」 。東京で一番おいしいケーキ屋さんだと思います。
「ぽん多」はとんかつを極めています。肉質、衣の様子、油の質、ソースの相性、ごはん、みそ汁、お新香の質、すべて申し分ない。当代が先代の仕事を凌駕しているところが素晴らしい。「みかわ是山居」のご主人早乙女哲哉さんの天ぷらは秘術を尽くした離れ業といってよく、職人として技術、感性、美学すべてを備えたずば抜けた天才。「毎日当たり前のことを当たり前にやっていると、いつか当たり前でないものができ上がる」という信念の下に、類希なお菓子を作ってみせる職人杉野英実さんの魂が込められた「イデミスギノ」のケーキは、それを食べるために旅する価値があります。
「但元」の塩豆のおいしさは、昔を思い出す味です。ビールのつまみばかりか、お茶のおともにも欠かせません。
「ベッラ・ナポリ」はピッツァがとてもおいしい。とくにプロシュート・ルッコラがオススメです。生地はモチモチ、ルッコラは山盛り、プロシュートはその上にまた山盛りで出てきます。安くておいしい焼肉といえば、「鶯谷園」。カルビ、ロース、ハラミ、タンなどは通常のものが他店の「上」か「特上」に値するのではないでしょうか。「アイボリー」は上野公園に美術展を見に行った時などに重宝する一軒。ここではローストビーフをいただきます。ローストビーフはワゴンで登場し、シェフが切り分けてくれます。
「L. W.A.N」は、葉巻の愛好家向けにコンディションのよい葉巻を販売しているシガーショップ&カフェ。店内ではシガーと一緒にコーヒーやスイーツも召し上がれます。
本記事は雑誌料理王国2012年8月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2012年8月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。