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【後篇】マイナーチェンジの挑戦は続く。「ヴォーロ・コズィ」西口シェフの”魚介のラグーのラザーニャ”


伝統料理こそ難しい

ヴェネツィアが最初の修業先であったため、前菜はアドリア海の幸の盛り合わせからスタートする。この時、魚介類の半端な部分が残る。これらの食材を活用すべくミートソースの要領で魚介のラグーにした。ラザーニャ生地は 1 日 60~ 100 個のラヴィオリを抜いた残りの生地を集めて、再度薄くのばしたもの。食材を無駄にしないところから生まれたものだ。

「このポイントはラザーニャ生地とベシャメルソースと魚介のラグーの三つを同等の塩分にすることです」

実はボローニャ風ラグーは作り方を少し変えた。「牛ひき肉とハンバーク用の肉だねを作り、二つを半々ずつ合わせて炒めるやり方です。こうすることでパサつきが抑えられます」。

食べ継がれてきたのには意味がある。だから味はブレずに改良し続ける。「伝統料理ほど難しいものはないですね」。

【レシピ】 魚介のラグーのラザーニャ

シェフからの一言アドバイス
ラザーニャは茹でたら一瞬、冷水に浸けます。その後、必ずトーションの上に置いて、トーションで水分を丁寧にふき取ってください。濡れたままにしておくと、生地から塩分が抜けて、仕上がりが違ってしまいます。

■ 魚介のラグーのラザーニャ

ラザーニャ生地……6枚
ホワイトソース……280ml
魚介のラグー……260g
グラーナ・パダーノ(粉)……90g
黒コショウ……適量
バター(無塩)……適量
茹で汁用の塩……適量

作り方

  1. ラザーニャ生地を塩湯で茹でる。
  2. 冷水にとって冷やし、すぐにトーションの上に並べる。[D]
  3. 布巾などで水分をふき取り乾かす。[E]
  4. ラップに1枚ずつ包んで保存する。[F]
  5. 耐熱容器にバターを塗り、ラザーニャ生地、ホワイトソース、魚介類のラグーの順に重ね、グラーナ・パダーノ、黒コショウをふる。
  6. ラザーニャ生地の向きを90度ずらして、3と同じ順に重ねて6層にする。6枚目は2種のソースを同割に混ぜて塗り、グラーナ・パダーノ、黒コショウをふる。
  7. 180℃のオーブンで約20分焼く。仕上げにグラーナ・パダーノ(分量外)をふる。
D
E
F

■ 魚介のラグー
材料(作りやすい分量)

魚介類……500g(車エビの尾、ヤリイカのエンペラ、帆立貝のヒモ、タコなど前菜に使った魚介類の残り)
ソフリット……大さじ1
ローリエ……1枚
トマトペースト……15g
白ワイン……大さじ3
オリーブ油……大さじ3
水……900ml

作り方

  1. 魚介類はフードプロセッサーにかける。
  2. フライパンにオリーブ油を入れ1を炒める。水分が飛ぶまでよく炒める。
  3. 鍋にオリーブ油、ソフリット、ローリエ、2の魚介類を加えて中火にかけ、トマトペースト、白ワインを大さじ2ほど加えてよく混ぜる。
  4. 水300mlを加える。
  5. 2のフライパンに残りの白ワインを加えて強火にし、鍋底の焼き汁をこそげ落として4の鍋に加える。
  6. 20分後に水300mlを加えて、さらに20分後に水300mlを加えて煮込む。

■ ホワイトソース
材料

バター(無塩)……60g
中力粉……40g
牛乳……800ml
塩……小さじ1
ナツメグ……適量
黒コショウ……適量

西口大輔(にしぐち だいすけ)
1969年生まれ。「カピトリーノ」𠮷川敏明シェフの下で修業をしたのち93年に渡伊。ヴェネト州、ロンバルディア州で修業。「サドレル」(ミラノ)ではパスタシェフに就任。帰国後、「ヴォナ·ヴィータ(現在は閉店)」でシェフとして活躍。 2000年に再び渡伊。ロンバルディア州パヴィーアのリストランテ「ロカンダ·ヴェッキア·パヴィーア」で5年間シェフを務める。帰国後06年に現店をオープン。オーナーシェフに就任。

ヴォーロ・コズィ
東京都文京区白山4-37-22 
TEL 03-5319-3351
12:00 ~ 15:00(12:30LO) 18:00 ~ 22:00(19:30LO)
月曜定休


text 飯島千代子 photo 海老原俊之

本記事は雑誌料理王国2020年8・9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年8・9月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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