無添加にこだわり、国内外の一流レストラン・ホテルを中心に、累計400店舗以上と取引をしてきた、パスタ専門の製麺所「プリマ・パスタ」。その人気の秘密は、ほとんどのリストランテで手打ちパスタをつくるときに採用している「圧延式」で製造していることと、シェフの好みやお店の特徴に合わせたパスタを用意している点だ。しかも、オリジナルパスタでも20食から5000食まで、小ロットでも生産できる製造ラインを開発。単なる製麺業ではなく、“製麺代行業”としてシェフやお店の要望に合った、オーダーメイドのパスタを届けることが可能なのである。
今回は、そんな「プリマ・パスタ」が自信をもって提供する低糖質タリオリーニとペンネを使った2皿を、鎌倉で人気のイタリアンレストラン「オステリア コマチーナ」のオーナーシェフ亀井良真さんにつくってもらった。
ひとつ目は、低糖質タリオリーニを使ったパスタだ。一般的な低糖質麺は、大豆の粉や加工でんぷんを使って製造されている。しかし、「プリマ・パスタ」では、創業から17年にわたって培ってきた生パスタ専門の製麺所の知識やノウハウによって、食品添加物に頼らない低糖質パスタを実現。「リストランテ・ホンダ」の本多哲也シェフの協力も得て、味を追求する料理人にも満足してもらえる低糖質パスタを完成させた。
「確かに、小麦粉や卵の味もしっかり感じられますし、味も食感も一般的なパスタと比べても遜色はありませんね。なので、今日は生ハムとチコリを合わせたシンプルな料理にしてみました」と亀井シェフは話す。
細切りにしたチコリと生ハムがたっぷり乗った皿は、一見するとサラダのよう。混ぜ合わせてパスタが顔をのぞかせると、ようやくパスタ料理なのだと分かる。火を入れていないので、チコリのシャキシャキ感と苦味、生ハムのねっとりとした食感と塩味、バターの風味がタリオリーニと合わさって、爽やかな味わいを醸し出している。
一方のペンネは、乾燥させていないためソースの味がしみ込みやすいのが特徴だ。
「こちらも、刻んだアーモンドとフルーツトマト、ニンニク、バジルをミキサーにかけてペンネと合わせたシンプルな皿です。ただ、シンプルだからこそ、それぞれの食材にはこだわっています。アーモンドは、スペイン産のマルコナ種。いろいろと試してみましたが、これがいちばんですね。トマトは、糖度が高いフルーツトマトがこの料理にはベストだと思います」(亀井シェフ)
ペンネのつるんとした食感とアーモンドのゴツゴツとした歯触りにフルーツトマトとバジルの清涼感のある風味が、みごとに合体。塩だけで味付けされたひと皿は、食材の味わいがそれぞれに際だっていておいしい。
「今は乾燥パスタを使っていますが、ゆで時間が長いので、お客さまが多いときやアラカルトでパスタのオーダーをいただいたときなどは困る場合もあります。オーダーのときに『ゆでるのに20分ほどかかります』とお話しすると、『えー、そんなにかかるの』と言うお客さまも多いです。その点、プリマ・パスタさんの生パスタは、ゆで時間4分。これも魅力ですよね」と亀井シェフ。風味や食感も、いつも使っているものと変わりはない。一考するに価する、と亀井シェフも評価する。
レストランの規模にかかわらず、シェフの“右腕”としてお店の味を支える——そんな製麺所の存在は、きっと心強い味方になるはずだ。
チコリと生ハムを細切りにしておく。火を通さないので、鮮度を保つのが重要だ。「オステリア コマチーナ」の人気料理で、来店したときは必ずこれをオーダーするというゲストも多い。
発酵バターを溶かし、水を少量入れて乳化させる。そのなかにゆで上がった低糖質タリオリーニを入れて、麺にバターをしっかりまとわせる。
粗くきざんだアーモンド、フルーツトマト、バジル、ニンニク、塩をミキサーにかけ、食感が残る程度のペースト状にして、最後にオリーブオイルをかける。
ゆでたペンネをアーモンドとフルーツトマトとバジルのペーストと混ぜれば完成。トラパニ風パスタは、本場シチリア島でも夏の風物詩。夏ならではの味わいを楽しみたい。
亀井良真(かめい・りょうま)
オーストラリアで高校生時代を過ごし、大学入学を機に帰国。卒業後、さまざまなアルバイトを経て食の道へ。2010年、鎌倉の小町通りに「オステリア コマチーナ」をオープン。2017年7月に現在の場所に移転する。
オステリア コマチーナ
神奈川県鎌倉市小町2-6-12 KUSUNOKI443 1F
TEL0467-23-2312
11:30 ~14:00 LO
18:00 ~21:00 LO(月曜は20:00 LO)
火休、不定休あり
製品に関するお問い合わせ先
株式会社プリマ・パスタ TEL 0436-60-9600
http://www.primapasta.co.jp
text 山内章子 photo 依田佳子
本記事は雑誌料理王国2020年8・9月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2020年8・9月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。