2024年5月30日
宮城を代表する食材として有名な牡蠣、せり、そして日本一を誇るメカジキやパプリカ。宮城県産の食材にこだわる料理人黒森シェフがその産地を訪ね、特産物に新しい物語を紡ぎ出す生産者を巡る。今回は、「メカジキ」と「パプリカ」をご紹介します。
宮城県の北東端に位置する気仙沼はカツオやサンマの街として知られるが、もうひとつ有名なものがある。それが日本一の水揚げを誇るメカジキだ。
スズキ目・メカジキ科に分類されるカジキの仲間。成長すると体長4~5mになり、大きい個体は体重約400㎏にもなる。高級食材として知られ、部位によっても味わいがそれぞれ違う。
戦後、マグロの延縄漁の発展と共にメカジキの漁獲量は増え、地元では身近な食材として親しまれてきたという。気仙沼で水揚げされるメカジキは赤イカなどを主食にしているため、味の良さにも定評がある。それが気仙沼ブランドと言われる由縁だ。
ことに秋から冬に獲れる通称〝冬メカ〞はたっぷりと脂を蓄え、旨みが濃厚。欧米などでもポピュラーなメカジキは洋食のイメージが強いが、メカジキを知り尽くす気仙沼の人々は「刺身や煮つけが旨い」という。まったりと脂がのった刺身はとろけるようで、身質がぶりに似ていることから、最近ではしゃぶしゃぶでも食べられている。「脂がのった刺身はマグロの大トロにも匹敵するので人気が出そうですね」と黒森シェフも刺身が旨いことを広く知って欲しいという。
気仙沼遠洋漁業協同組合
宮城県気仙沼市港町502-1
TEL 0226-22-2744