2025年7月18日
扉を開けると、そこは古きよきパリのビストロの雰囲気だ。メニューにはサーモンのパイ包み焼きやパテ・ド・カンパーニュ、スープ・ド・ポワソンなどの伝統的なフランス料理が並び、アラカルトはどれも高すぎない。店内は食事を楽しむ人々の笑顔で溢れ、日本人がイメージするビストロそのもの。しかし、神吉さんの本心は異なる。
「見た目はクラシックですが、どの料理も一度自分のなかに落とし込んでから改良し、食べたら“レストランの味”になるよう考えています。サービスもそうですね。ビストロというとカジュアルな料理をイメージされるかもしれませんが、お客様がここでしか食べられない一皿を出せるよう、かなり緻密に料理を構築しています」
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神吉淳作(かんき じゅんさく)
1978年、兵庫県生まれ。広島大学卒業後、エコール辻東京でフランス料理の基礎を学ぶ。都内のフランス料理店での10年の修行を経て、2012年恵比寿に「アベス」をオープン。開業して間もなく、コース料理のレストランから現在のビストロ業態に転換。25年6月に13周年を迎える。
BISTROT ABBESSES アベス
東京都渋谷区恵比寿1-26-17 阿部ビル2F
TEL 03-6686-4773
https://www.bistrotabbessesebisu.com
Instagram kanki_abbesses.chef
text: Takako Sato photo: Kenta Yoshizawa