食の未来が見えるウェブマガジン

AI時代はコワくない 米田裕二 ショクドウ・ヤーン


103歳のお客さまに教えられた
人間の根源にある「食べる楽しさ」

「茶碗無視」「Are you brothers?」「今日のお肉にソース、はずんだよ!」
--。この奇妙な短文は、石川県小松市にある「SHÓKUDŌ YArn(ショクドウ・ヤーン)」の料理名だ。「僕たちのレストランは、体験型。こんなふざけた料理名にしたのも、お客さまとコミュニケーションをとりたいからなんです」と、シェフの米田裕二さんは、まじめに話す。

2015年、米田さんは妻の亜佐美さん(上写真の左)とお互いの故郷、小松で独立した。当初は、40〜60代の限られた客層を想定していた。しかし開店3年目の今、103歳で福井から来店するゲストが最高齢。次いで富山からの98歳だという。
「ご本人もそうですが、お連れになるご家族の方も、食は楽しいことであることを理解されている。本当の意味での『食べる楽しさ』をお客さまに教えていただきました」

AIが料理を作れたとしても、それは一方通行の料理でしかないだろう。心を揺さぶり、笑顔を生み出す料理は、人間同士の交流から生まれる。言い換えれば、人間同士の交流こそが、人間らしさなのではないか。
「だから『おいしい』だけでは、僕はもの足りないんです」。人間の感情から生まれる、笑顔が絶えない楽しい食事。それこそが、どんな未来が訪れても変わらない「SHÓKUDŌYArn」が提供する食の体験なのだ。

シェフがAIに勝てる理由
人と人との交流こそが人間らしさだから

SHÓKUDŌ YArn ショクドウ・ヤーン
Yuji Yoneda
1976年、石川県生まれ。大学卒業後、イタリアへ渡り5年半修業。途中、現在の妻、亜佐美さんも渡欧し、共にイタリアやスペインの星付き店で研鑽を積む。2007年に帰国後、亜佐美さんと結婚。小松市内の日本料理店で、日本料理を学んだ後、2015年8月に、「SHÓKUDŌ YArn」を開業。裕二さんが料理、亜佐美さんがデザートを担当する。

米田裕二さんの10年後も作り続けていたい料理とは?


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