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【ジビエ】知っていますか?鳥獣はどこに分布しているのか 日本の野生動物の生息地


国産のジビエの魅力はなんといっても鮮度と状態のよさにある。国産のジビエは、海外のものと違い香りや旨味が弱いという意見もあるが、調理方法を考え直し、再構築することができれば、日本らしいジビエ料理ができるはずだ。
ここでは食肉にできる主な鳥獣を生息地域とともに紹介。日本気候や風土の中で生きる鳥獣の生態や地域性を理解してほしい。

エゾジカ 【蝦夷鹿】
Cervus nippon yesoensis

エゾジカ  蝦夷鹿

シカ科シカ属
シカ科シカ属に分類されるニホンジカの亜種である。北海道に生息する。ニホンジカの亜種の中では最大級の大きさ。比較的雪の積もらない地方に生息する。
<生息地>北海道

ヒグマ【羆】
Ursus arctos

ネコ目クマ科
ユーラシア大陸から北アメリカ大陸まで広く分布する。北海道に生息するのは亜種のエゾヒグマ。森林及び原野に生息し、日本に生息する動物で最大。
<生息地>北海道

エゾライチョウ 【蝦夷雷鳥】
Tetrastes bonasia

キジ目ライチョウ科エゾライチョウ属(留鳥)
本州に生息するライチョウとは属が異なり、羽の色は変化しない。平地から山地の針葉樹林や針広混合林に生息し、林の中を歩き回ることが多い。
<生息地>北海道

漂鳥と留鳥
漂鳥は、ある一定の地区内で越冬地と繁殖地を区別して、季節移動する鳥のこと。留鳥は年間を通して同じ場所に生息。季節による移動をしない。

ライチョウ 【雷鳥】
Lagopus muta

ライチョウ 【雷鳥】

キジ目ライチョウ科ライチョウ属(留鳥)
標高2400m以上の高山のハイマツ帯に生息する。春はペア、夏は家族群、秋から冬は群れで生活。繁殖期のオスの大きな鳴き声から「雷鳥」の名がついた。
<生息地>本州中部の高山

日本で食べられる鴨
日本で捕獲可能な鴨はマガモを含めおおむね4種類。「コガモ」は全国的に飛来。「ヨシガモ」も全国的に飛来し、本州中部以南に多い。留鳥である「カルガモ」は、河川や沼地におり、稲や作物を食べる。

マガモ 【真鴨】
Anas platyrhynchos

マガモ 【真鴨】

カモ目カモ科(留鳥または漂鳥)
オスは青首(コルヴェール)と呼ばれる。アヒルの原種で、都会で見るアイガモはこの交雑個体。多くは冬鳥で、春に繁殖地のシベリア南部へ渡る。
<生息地>中部地方以北 冬は全国

ホンシュウジカ【本州鹿】
Cervus nippon centralis

ホンシュウジカ【本州鹿】

シカ科シカ属
ニホンジカの亜種。エゾジカと同じ種類だが、体格がやや小さく肉質も違う。沖縄を除く本州以南に生息する。長野県などでは古くから食肉の伝統がある。
<生息地>本州、四国、九州

ニホンイノシシ【日本猪】
Sus scrofa leucomystax

ニホンイノシシ【日本猪

イノシシ科イノシシ属
山林や草地に生息する。足が短く雪に弱いため、基本的には積雪地帯には生息しない。きれい好きな動物で、水場に近い場所を好む。イノシシの亜種であり、日本にはほかに「リュウキュウイノシシ(琉球猪)」がいる。
<生息地>北海道、東北、北陸以外

キジ【雉子】
Phasianus versicolor

キジ

キジ目キジ科(留鳥)
平地から山地の林、草原、川原、畑などに生息。日本には、東北地方の「キタキジ」、本州・四国の「トウカイキジ」、紀伊半島などに局地的に生息する「シマキジ」、九州の「キュウシュウキジ」の4亜種がある。
<生息地>本州以南

コウライキジ【高麗雉子】
Phasianus colchicus

キジ目キジ科(留鳥)
ユーラシア大陸が原産地の帰化鳥。もともとキジが生息していなかった北海道と対馬に狩猟目的で放鳥され、野生化している。
<生息地>北海道と対馬

キジバト 【雉鳩】
Streptopelia orientalis

ハト目ハト科(留鳥)
「ヤマバト(山鳩)」とも呼ばれる。以前は山地や畑の鳥だったが、今では都会の公園や街路樹などでも繁殖するようになった。主に植物食で、木の実や草の種などを食べる。
<生息地>全国 冬は本州以南

ヤマシギ 【山鴫】
Scolopax rusticala

ヤマシギ 【山鴫】

チドリ目シギ科(留鳥または漂鳥)
平地から丘陵地の林、湿地、田んぼ、小川に生息する。北日本で繁殖するものは、暖かい地方へ移動する漂鳥である。近縁種に日本固有種の「アマミヤマシギ(奄美山鴫)」がある。
<生息地>全国 冬は本州以南

放鳥って何?
繁殖のため人工的に孵化させて育てた鳥を放つこと。日本では狩猟用の獲物として飼育していたキジやヤマドリの放鳥が、日本各地の猟友会により続けられている。野生で希少になった鳥を繁殖して放す。

ツキノワグマ【月輪熊】
Ursus thibetanus

ツキノワグマ【月輪熊】

ネコ目クマ科
アジアに分布する。冬は穴に入って冬ごもりする。胆のうは「熊胆(くまのみ)」として薬用される。雑食性なので、少量によって肉の味に変化がでる。
<生息地>本州、四国、九州

ニホンノウサギ 【日本野兎】
Lepus brachyurus

ニホンノウサギ 【日本野兎】

ウサギ科ノウサギ属
亜高山帯まで(主に低山地から山地)の草原や森林などに生息。生息する地域の気候によって毛の色を変える。日本には4種類とも5種類ともいわれる亜種がある。
<生息地>本州、四国、九州

ニホンジカの亜種
ホンシュウジカとエゾジカのほか、ニホンジカの亜種は国内に「キュウシュウジカ(九州鹿)」、「ツシマジカ(対馬鹿)」、種子島沖の小島に生息する「マゲシカ(馬毛鹿)」、屋久島の「ヤクジカ(屋久鹿)」(写真)、慶良間諸島の天然記念物「ケラマジカ」がある。


主な参考文献◉『日本の野鳥』小宮輝之監修・執筆(学習研究社、2000年)、『理科の地図帳⑤ 動物』浜口哲一監修(ポプラ社、2009年)


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