食材図鑑【ジビエ】日本の野生動物の生息地


知っていますか?鳥獣はどこに分布しているのか

国産のジビエの魅力はなんといっても鮮度と状態のよさにある。国産のジビエは、海外のものと違い香りや旨味が弱いという意見もあるが、調理方法を考え直し、再構築することができれば、日本らしいジビエ料理ができるはずだ。
ここでは食肉にできる主な鳥獣を生息地域とともに紹介。日本気候や風土の中で生きる鳥獣の生態や地域性を理解してほしい。

渡り鳥達の旅路

越冬地と繁殖地が異なり、毎年同じ時期に移動する渡り鳥。渡りによって「留鳥」「夏鳥」「冬鳥」「旅鳥」「漂鳥」「迷鳥」に分類される。

「留鳥」年間を通して同じ場所に生息。季節による移動をしない。
「夏鳥」繁殖のために日本より南の国から渡ってきて夏を日本で過ごし、繁殖期が終わると越冬のために南の国に渡っていく鳥。
「冬鳥」越冬のために日本より北の国から渡ってきて冬を日本で過ごす。冬が終わると繁殖のために北の国に渡って行く。
「旅鳥」日本より北の国で繁殖し、日本より南の国で越冬するため、渡りの移動途中に日本を通過して行く。移動時期である春と秋に見られる。
「漂鳥」ある一定の地区内で越冬地と繁殖地を区別して、季節移動する鳥のこと。
「迷鳥」台風などの偶然の機会に迷い込んだ鳥のこと。

表記の凡例:名称(漢字表記)、学名、種族

エゾジカ 【蝦夷鹿】
Cervus nippon yesoensis

シカ科シカ属
シカ科シカ属に分類されるニホンジカの亜種である。北海道に生息する。ニホンジカの亜種の中では最大級の大きさ。比較的雪の積もらない地方に生息する。
<生息地>北海道

エゾジカ  蝦夷鹿
エゾジカ 【蝦夷鹿】

ヒグマ【羆】
Ursus arctos

ネコ目クマ科
ユーラシア大陸から北アメリカ大陸まで広く分布する。北海道に生息するのは亜種のエゾヒグマ。森林及び原野に生息し、日本に生息する動物で最大。
<生息地>北海道

ヒグマ【羆】
ヒグマ【羆】

エゾライチョウ 【蝦夷雷鳥】
Tetrastes bonasia

キジ目ライチョウ科エゾライチョウ属(留鳥)
本州に生息するライチョウとは属が異なり、羽の色は変化しない。平地から山地の針葉樹林や針広混合林に生息し、林の中を歩き回ることが多い。
<生息地>北海道

エゾライチョウ 【蝦夷雷鳥】
エゾライチョウ 【蝦夷雷鳥】

ライチョウ 【雷鳥】
Lagopus muta

キジ目ライチョウ科ライチョウ属(留鳥)
標高2400m以上の高山のハイマツ帯に生息する。春はペア、夏は家族群、秋から冬は群れで生活。繁殖期のオスの大きな鳴き声から「雷鳥」の名がついた。
<生息地>本州中部の高山

ライチョウ 【雷鳥】
ライチョウ 【雷鳥】

マガモ 【真鴨】
Anas platyrhynchos

カモ目カモ科(留鳥または漂鳥)
オスは青首(コルヴェール)と呼ばれる。アヒルの原種で、都会で見るアイガモはこの交雑個体。多くは冬鳥で、春に繁殖地のシベリア南部へ渡る。
<生息地>中部地方以北 冬は全国

マガモ 【真鴨】
マガモ 【真鴨】

日本で食べられる鴨
日本で捕獲可能な鴨はマガモを含めおおむね4種類。「コガモ」は全国的に飛来。「ヨシガモ」も全国的に飛来し、本州中部以南に多い。留鳥である「カルガモ」は、河川や沼地におり、稲や作物を食べる。

次ページ:食材図鑑【ジビエ】2


SNSでフォローする