【横浜・関内】激戦区で15年。守ってきたブレない料理


守ってきたのはブレない料理とゲストの期待を裏切らない姿勢

ストラスヴァリウス 小山英勝さん

横浜市営地下鉄関内駅から徒歩3分。レストラン激戦区のこのエリアでは、2年足らずで店をたたむオーナーも少なくない。15年前、「ストラスブール」で独立した小山英勝さんは、店名を現在の「ストラスヴァリウス」と変えた。小山さんに、人を呼び続ける理由を聞いた。

気取らない空間でグランメゾン並の料理を

「お客様が決めることですから僕は何とも言えませんが、当初から、料理に関してはブレないように心がけています」と小山さんは言う。

スイスとフランスでの修業を終えて帰国。31歳で入社した「銀座レカン」では城悦男シェフに師事し、各セクションシェフを経験した。オーストラリアに渡り、ゴルフリゾートのエグゼクティブシェフを務めたこともある。

47歳で独立開業。グランメゾン、海外のレストラン、ホテルと、さまざまな環境に身を置いてきた経験は、店を持つときに力になった。

料理は王道フレンチ。ソースは必須。そこはハズさない。一方で、テーブルクロスは使わず、少しだけカジュアルにした。「お客様には、肩の凝らない雰囲気のなかで、グランメゾンにも負けない料理を召し上がっていただきたいんです」。

だからこそ、ゲストは「あそこへ行けば、必ずあの味と出会える」と安心する。加えて、マダムの温かな眼差しとサービス。ゲストの多くがリピーターというのも、うなずける。「『結婚しました』『子どもが生まれました』など、何かの記念日に来てくださるお客様も多いんですよ」

従業員の労働時間、指導の方法、料金、接客……。時代が変わり、今はオーナーシェフとして頭の痛いことも少なくない。

「でも、肩肘張らず柔軟に対応するようにしています。それもまた、店を長く続ける秘訣かもしれません」

街場のレストランのシェフたちが集う「クラブアトラス」など、業界の団体や地域とも深く関わる。「それは続けていきたいですね。若い料理人を育てることも、我々先達の務めだと思っていますから」

剛と柔――。フレンチの達人は、その使い分けが上手だ。

骨付き仔羊肉の瞬間スモーク ジュ・トランシェ
ふっくらやわらかく仕上がった仔羊肉は、ほのかなサクラチップの薫香をまとって美味。サラリとしたバルサミコとフォン・ド・ヴォーのソースが仔羊肉の味わいを引き立てる。常連客が多いため、同じ仔羊肉のローストでもスモークしたり、キャベツで巻いたり……。味わいも見た目も変えるために、チャレンジは欠かせないという。

Hidekatsu Koyama
1955年、東京都浅草生まれ。19歳でフランス料理の道に入り、82年から4年半、スイスとフランスで修業する。帰国後 「銀座レカン」 に入社。パンパシフィックホテル横浜の 「クイーン・アリス」 料理長などを経て、2003年7月に「ストラスブール」を開く。17年6月、姉妹店「ストラスジュール」と統合し、「ストラスヴァリウス」と店名を変え、新たにオープンした。「クラブ アトラス」の副会長も務める。

山内章子=取材、文 大平正美=撮影

本記事は雑誌料理王国第277号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第277号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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