名匠のスペシャリテ 「赤坂璃宮」譚彦彬さん


1970年代、四川料理人気がひと段落して、ホテルオークラ「桃花林」、京王プラザホテル「南園」をはじめとした広東料理に勢いがあった時代。どの料理人も新しい料理を次々に考えて、腕を競い合っていた。広東料理の黄金期だったね。僕が「南園」の副料理長からホテルエドモントにオープンした初の中華料理「廣州」の料理長になった時。何か目新しい料理を作ろうと考案したのが、この「蟹爪の五目包み揚げ」。自分の中でも、特別な思い入れがあるんだよね。あの頃、蟹爪の料理はすでにあったけど、どの店もエビのすり身で作っていた。そんな時、香港にいるシェフの手伝いで参加した「香港フードフェスティバル」で、鶏のもも肉に五目を詰めた料理があって。それをヒントにアレンジしてみたら、これが大当たり。「廣州」を代表するスペシャリテになった。 


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