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【飲食店の法律相談所#3】自家製サングリアは「違法」なのでしょうか?


Q. 自家製サングリアは「違法」なのでしょうか?

 イタリアンバルで店長をしています。ワインの売り上げがよく、種類やバリエーションを増やしたいというオーナーの意向を受け、季節のフルーツを使った自家製サングリアを提案したのですが、オーナーから、「法律違反だ」と言われてしまいました。現実に自家製サングリアを提供している飲食店はたくさんあります。実際には違法な点はないのでしょうか。
(30代 イタリアンバル店長)

A. 作り方によっては違法。梅酒は届け出を出せばOK!

「酒類」(1%以上のアルコール度数を含むもの)を製造するには、免許が必要です。無免許で製造すれば、いわゆる密造酒になり、処罰される可能性があります。酒類の製造には、酒類に他の物を混ぜて新しい酒類を作ることも含まれますので、一般的にワインに果物などを漬け込んで作る自家製サングリアは、酒類の製造になります。

 しかし、これには例外があります。①バーや居酒屋など酒類を提供する店が、②自分の店で飲む目的で、③店内で、④アルコール度数20度以上の蒸留酒類と一定のもの(米、麦、ブドウ、別の種類の酒など以外のもの)を混ぜて作る限り、免許は不要というものです(それでも、税務署に届け出をしたり、作った数量を記録しておくなどルールがあります)。

 サングリアのベースになるワインは、アルコール度数20度以上でも蒸留酒でもありませんから、酒類の製造にあたり、製造や提供には酒類免許が必要です。一方で、焼酎に梅や砂糖を漬け込む梅酒や、ウォッカにレモンを漬け込むリモンチェッロなどは、免許不要です。また、この例外とは別に、バーでカクテルを作る場合のように、飲む直前に酒類を混ぜるのは「製造」に当たりません。しかし、サングリアは、事前に作り置きしますから、これにも当たりません。文字通り「自家製」なのであれば、酒類免許や設備などが必要になります。

飲食店専門弁護士 石﨑冬貴
1984年、東京都生まれ。神奈川県弁護士会会員。横浜パートナー法律事務所所属。飲食店法務を専門的に取り扱うほぼ唯一の弁護士。著書に『なぜ、飲食店は一年でつぶれるのか?』(旭屋出版、2018年)がある。

本記事は雑誌料理王国2018年11月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は 2018年11月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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