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シェフが惚れる!「肉の匠」がいるレストラン5選

北島亭 仔羊フィレ肉の 塩包み蒸し焼き

【和歌山 オテル・ド・ヨシノ】伝統の技に磨きをかけて肉料理に活かす

オテル・ド・ヨシノ 手島純也 熊野牛のパイ包み
熊野牛のパイ包み パイ生地の中では牛フィレとフォワグラが美しい層を形成。クラシックスタイルに則って、ポンム・マキシム(薄切りのジャガイモをカリッと焼いたもの)とポルト酒をきかせた赤ワインソースを添えた。

 フォン・ド・ヴォー、パイ料理、ソースなど、日本のフランス料理から消えゆくものがある一方、伝統を守ろうとするシェフもいる。和歌山の手島純也さんは、クラシックを継承する実力派として尊敬を集める。
時代の変化とともに、料理人の条件も変わった。「昔はコンソメと折パイができ、オムレツが巻けることが一人前と言われるための条件だったと聞いていますが、今は折パイのできない人がほとんどです。               こう言って手島さんは、折パイを使った「熊野牛のパイ包み」を披露してくれた。牛フィレとフォワグラ、鶏胸肉のムースをパイ生地に包んで焼く料理で、素材ごとの火入れからソース作り、パイ生地にまとめてからの微妙な火入れなど、いくつもの工程を経る。ゲストの食事の進行を見計らいながら、中はしっとり外はサクッと仕上げるのは至難の業だ。

軽く焼いて冷やしたフォワグラを、同じように調理した牛フィレ肉で挟み、鶏胸肉のムースで覆う。ムースを使うのは手島シェフの発案で、伝統料理に磨きをかけたひとつの例。

画像p32 軽く焼いた冷やしたフォワグラを


それでも「伝統料理に魅せられた者として、それを極めることは宿命。重鎮たちに納得してもらえる料理が目標」と言う。重鎮たちはすでに実力を認めているのだが、「まだ力不足」と、その先をめざす。手島さん自身もクラシックな人間なのだ。

オテル・ド・ヨシノ 手島純也
Junya Teshima
1975年、山梨県生まれ。地元のレストランで修業後、2002年に渡仏。パリの「ステラマリス」他、数店で経験を積む。 07年に帰国し、パークホテル芝「タテルヨシノ」料理長を経て、和歌山「オテル・ド・ヨシノ」の料理長に。
オテル・ド・ヨシノ

オテル・ド・ヨシノ
hôtel de yoshino
和歌山市手平2-1-2 和歌山ビッグ愛12F
073-422-0001
● 11:30~14:00LO 17:30~21:00LO
● 月、第2火休 (月曜日が祝日の場合は 翌火曜日に振替え休)
● コース 昼3700円~ 夜7000円~
● 35席
www.hoteldeyoshino.com


上村久留美 =取材、文 伊藤信=撮影
text by Kurumi Kamimura photos by Makoto Ito

本記事は雑誌料理王国第256号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第256号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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