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「ラ ベットラ ダ オチアイ」落合務シェフに学ぶ基本のパスタソース#1「ボロネーゼ」


香りと音に注意して焼き色を付ける

触りたくなってもじっと我慢して待つ

 ボロネーゼを作るうえでもっとも重要なのは、肉に焼き色を付けること。不必要に鍋を触れば、触った分だけ肉から水分が出てしまい、温度も下がってしまう。だからこそ極力鍋や肉には触れず、大きなハンバーグを焼くようなつもりでしっかり火を通しながら焼き色を付けるのが鉄則。そうすることでその焼き色が、ソースの香りと色、旨味になる。「イタリア人が鍋をほとんど触らないのを見て、最初はサボっているのかと思ったよ」と落合さん。

 肉の焼き色はそのままソースの色となり、鍋の内側に付着した分も味や匂いに深みを与える役割を果たす。

 後半の重要なポイントは、赤ワインを加える際の火の強さと、ホールトマトを入れるタイミング。鍋が熱くなっていないと、焼いた肉が赤ワインを吸ってしまう。ワインを加える前に肉にしっかり焼き色を付け、ワイン投入後も水分を飛ばしきってからトマトを加える必要がある。

「水分をしっかり蒸発させるには、鍋を徹底的に熱くしておくことも大事。ワインが鍋に入った瞬間に沸騰し始めるくらいの火力だよ。そしてグツグツ沸騰した状態からジュージューと音が変わり、やがてパチパチと鳴りだす。そこでホールトマトを加える。そうやって、聞こえてくる音にも注意しながら火加減と向き合うことも忘れないように」 

ボロネーゼ リガトーニ

じっくり焼き色を付けたことで肉の味を引き出したソースは、たっぷりのパルミジャーノ・レジャーノと混ざり合い風味豊かに。ゆでたてのパスタと和えるシンプルなスタイル。

ソースの材料 (作りやすい分量)

牛ひき肉 2kg
ホールトマト 2kg
赤ワイン 500cc
タマネギ(みじん切り)300g
ニンジン(みじん切り)150g
セロリ(みじん切り)150g
ローリエ(フレッシュ) 2枚
エクストラヴァージンオリーブオイル 150cc
塩、コショウ 適量

パスタの材料(1人分)
リガトーニ 60~70g
ボロネーゼソース 100g
パルミジャーノ・レジャーノ 40g
バター 5g

ソフリットの作り方

1.鍋にオリーブオイル 50cc を入れ、ニンジン、セロリ、タマネギのみじん切りを加え、強めの火でかき混ぜる。

2.野菜がしんなりしてきたら火を中火に。甘みを引き出しながら水分を飛ばすため、引き続きじっくり炒めていく。

3.鍋の内側に野菜がこびりついてきたら、火から外してこすり落とし、再び火にかける。水分が抜けてペースト状になるまで 20~30 分かけて数回繰り返す。

4.野菜の形がなくなって均一のあめ色になり、自然とまとまって鍋底から離れるようになったらでき上がり。

ボロネーゼの作り方

1.塩、コショウでひき肉に下味を付ける。大きめのボールを使い、両手で握りながら全体に味を入れる。

2.鍋底が隠れる程度を目安にオリーブオイルを80cc ほど入れ、ひき肉を加える。ほぐす程度に木べらでかき混ぜ、表面を軽くならす。

3.鍋の内側に色が付き、肉の焼ける匂いがしてきても、むやみに触らない。鍋底にくっついて焦げができても気にしない。

4.肉の焼けた匂いが漂い、焼き色が付いてきたら次の段階へ。

5.ソフリットを加え、火を強めて鍋をしっかり熱くした状態で赤ワインを加える。ワインを入れた瞬間に沸騰が始まるくらいの高温がベスト。

6.音がグツグツからパチパチに変わり、水分がしっかり蒸発したら、肉を好みの大きさに崩す。鍋に付着した分も軽くこするだけできれいに落ちる。

7.ホールトマト、ローリエを加え、火を強めて沸騰させる。その後火を弱め、 1 時間ほど煮込む。黒コショウで味を整え、パスタのゆで汁を適宜加えて濃度を調整する。

8.ソースにゆで上がったパスタを加え、2 つかみほどのパルミジャーノ・レジャーノと、バター 5gも加え、フライパンを前後にゆすって手早く和える。


本記事は雑誌料理王国第288号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は第288号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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