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オギノ流!「パテ・ド・カンパーニュ」のつくりかた


塩を利かせ、豚肉加工品本来のパンチのあるパテを作る。

オギノ 荻野伸也さん

今や「オギノ」の名物となったパテ・ド・カンパーニュ。「特別なことはしていません。昔ながらのルセットに基づいたベーシックなものです」と荻野伸也さん。とはいえ、単にルセットを忠実に再現しているわけではない。本来、パテ・ド・カンパーニュは赤身肉、背脂、レバーのすべてに豚を使う。しかし、それでは味が強くなりすぎて日本人の舌には馴染みにくい。そこでレバーは鶏を使用。豚肉も、ヨーロッパ産の場合、加工品では肉の個性が際立ってしまうため、北海道産を使う。豚は一頭買いするので、モモを中心に腕やホホの赤身肉もパテに利用している。

一方で、塩は味の要と、こちらはフランスのクラシカルな配合を貫く。肉1㎏に対し、塩14~15gが一般的だが、「オギノ」の配合は24g。これがこの店のパテの持ち味でもある、ガツンとした味わいを生み出している。

2009年には食肉加工製造業の認可を取得し、加工工場を設置。店舗やオンラインでパテ・ド・カンパーニュの販売を行い、これも好調だ。レストランで出しているものとの違いはやわらかさ。材料や配合はそのままに、小売りの場合は、若干硬めに練っている。

荻野さん曰く「料理人は食肉加工の技術は持っているけれど、レストランのメニューだけではその力を存分に発揮するには不十分なんです」。食肉加工の技術をもっと生かしたいと、パテ・ド・カンパーニュのほかに、リエットやレバームースの販売も始めた。今後はさらにアイテムを増やしたいと意欲的だ。

パテ・ド・カンパーニュを使ったひと皿
お好きなだけパテ・ド・カンパーニュ

なめらかな舌触りとガツンとした塩加減はインパクト大。オーバル型のグラタン皿で供され、好きなだけ食べられるスタイルも魅力的だ。一方でお試しサイズともいえる「一口だけパテ・ド・カンパーニュ」オンメニューしている。

パテ・ド・カンパーニュの作り方

1. 肉は筋の硬い部分、取り残しのあった骨などを取り除き、掃除したら、背脂を削る(写真A)。
2. 赤身肉、背脂、白い血管を外した鶏レバーを適当な大きさに切り分ける。
3. 直径約3mmのミンサーにかけ、中びきにする(写真B)。

4.ミンチした肉、卵、赤ワイン、レデュクション(香味野菜や調味料などを煮つめたもの)、ナッツメッグ、キャトル・エピス、塩、コショウをミキサーにかける(写真C)。11℃以上になると脂がとけるので注意。また、回しすぎると硬く、回しが足りないとぼそぼそしたパテに仕上がるので、練りの見極めが肝要。ファルスをすくったときに簡単に落ちないのがベストの状態。
5.テリーヌ型に背脂を敷き、ファルスを詰める(写真D)。ファルスを叩くようにして、空気を抜きながら詰めていく。
6.背脂でファルスを覆い、ローリエをのせる。

7.120℃のスチームコンベクションオ ーブン(中心温度83℃)で1時間30分~2時間加熱する(写真E)。
8.常温で冷まし(写真F)、冷蔵庫でひと晩ねかせる。

荻野伸也さん
1978年愛知県生まれ。岐阜県のレストランで修業ののち上京。日比谷「ラ・プロムナード」で1年半の修業、初台「レストラン・キノシタ」副料理長、目黒「キャスクルート」料理長を経て、2007年11月「オギノ」をオープン。09年、旧店舗を加工工場にし、現住所に移転。本格的に小売り業にも参入し、パテをはじめ、リエットやテリーヌなどを販売。

text:Noriko Hane /photo:Takashi Kawamura

本記事は雑誌料理王国2011年2月号の内容を本ウェブサイト用に調整したものです。記載されている内容は2011年2月号発刊当時の情報であり、本日時点での状況と異なる可能性があります。掲載されている商品やサービスは現在は販売されていない、あるいは利用できないことがあります。あらかじめご了承ください。


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