食の未来が見えるウェブマガジン「料理王国」

コロナ流行期の飲食イベントはどう進めるべきか?四川フェス2020の場合


私は三密を作るのが仕事です。年間50件前後のレストランイベント開催。2019年は四川フェス10万人、羊フェスタ3万人と、広告代理店やPR会社やイベント会社を入れず、消費者が自分たちの好きなものを自分たちで盛り上げる!をコンセプトに、広告費などゼロで万人越えの食イベントを開催してきました。

その実績が認められ、本来でしたら2020年は、上記二つに加え、地方入れてさらに3か所の新しい消費者巻き込み型イベントのプロデューサーとして、さらなる三密道を目指すべき、充実した1年を送る予定でした。しかし、人生そううまくは行かないもの。コロナウイルスの流行で、得意の三密はほぼ不可能になり、大幅な仕組みの変更を余儀なくされました。

今回は、本来は4月開催ですが、3回の延期で形を改めて12月に開催することになった「四川フェス2020」を例にコロナ期の消費者主導食フェスをどう我らは行ったか?をご説明し、同じ悩みを持つ人たちの参考になればと思います。 私は四川フェスに実行副委員長として参加しており、母体の麻辣連盟(2016年より麻辣という味を流行らせようとしている消費者団体)では幹事長を務めています。

四川フェス2019の三密具合

まずは、改めて開催意義と開催責任を考える。

わたしたちは、四川フェスをビジネスで行っておりません。あくまで、消費者が四川料理を盛り上げる行動として行っております。ですので、ビジネス食フェスではなく、「どう業界を盛り上げてわれらが好きな四川料理を広めるか」がメインの考え方となり、それが開催意義です。開催自体が目的ではありません。

もし、強行してクラスターなどが発生した場合「四川料理イベントでクラスター!!」となってしまい、全国の四川料理のイメージを損ねてしまう場合が考えられます。これが開催責任です。最近のイベントを見ると、ビジネス食フェス以外でも、開催責任を軽く見ている気がしてなりません。

このような時期だからこそ、開催責任を重く考えて、イベントを本当にやるべきか?と真剣に考えるべきかと今回は開催意義と開催責任を踏まえ、
・四川料理のイメージを守るためにリアルイベントは開催しない。
・業界を支えるために、TVなどで興味喚起を行う。
・各店舗への集客などをメインに考える。
という形で進めることになりました。

代案ではなく、コロナ明けを考えて開催すべき。

今回の四川フェスは新しい試みとして、「四川フェスTV」というインターネット放送と、「GOTO四川料理」という、全国の店舗への集客を合わせて行う形で進みます。今まで、四川フェスは新宿中央公園で料理を提供できるお店しか、参加できませんでした。しかし、「GOTO四川料理」の形ですと全国どこのお店でも気軽に参加できますし、負担は出店実費と限定メニューを開発するぐらいしかありません。

また、中心的イベントとして開催する「四川フェスTV」も、中央電視台の日本支社さんが技術協賛的に撮影などを請け負っていただくことになり、4カメまである本格的内容。こういう事は、できるだけ本気でやらなければ面白くないという事で、出来には思い切りこだわりました。
この流れは、「できなかったからWEBにした」という消極的な施策ではありません。

今回は実験的な要素が大きく、無事にコロナが明けたら、新宿中央公園でのリアルイベント、GOTO四川料理のような多くの方が参加しやすい全国対応のイベント、気軽に見ることができる四川フェスTVという形で、リアルと、全国と、TVを合わせて開催することが可能になり、規模が一気に大きくなります。
この時期だからこそ、将来を見据えたイベント設計が重要となります。

このような時期だから大切なコラボする力。

今回は多くの人の好意的なご協力で進めることができました。資金難で何回も今年は無理かな・・・・と思いましたが、華僑の方たちを中心に大いに励まされ資金的にも援助していただきました。

四川の代表するお酒である五糧液(https://www.nichi-wa.co.jp/blank-24)さんが意義を認めてくれて助けてくれましたし、中央電視台の東京支社さんも「暗いニュースが多い中でこういう面白い事いいよね!」と協賛価格で撮影などを請け負っていただきました。

広く声をかけ、情報を流し、真摯に説明することで、思いつかないところから手が差し伸べられるのだと改めて思った次第。また、ゲストやスタッフなど手を差し伸べてくれた方、応援を申し出て下さった方も多く、こういう時だからこそ巻き込みコラボする力が大事なのだと感じました。この、あきらめずに進める!事も非常に大事です。

今回のまとめは

・こんな時期だから・・・とお茶を濁さず来年再来年を見越してイベントを構成する。

・開催意義と開催責任をまず考えて、何ができるか?何をやらないか?を見極める。

・情報を広めコラボし、巻き込み、多くの仲間の力を借りる。

です。

この考え方って、食フェスにとどまらず飲食にかかわる場合のこの時期のイベントやキャンペーンなどの考え方にも通じると思っています。なかなか先が見えないコロナですが、こんな時期だからこそどう行動するか??が大切になってくると思います。

まだまだコロナ先が見えませんが、コロナ後の世界を見据えて、みんなで考え、進んでいきましょう。

■四川フェスHP
https://meiweisichuan.jp/sisen-fes2020


取材・文・撮影=菊池一弘、四川フェス実行委員会
株式会社場創総合研究所代表取締役。羊好きの消費 者団体齧協会主席。羊を常食とする地域で育ち、中国留学時にイスラム系民族の居住区に住んでいたことなどから、20代前半まで羊は世界の常識と思ってそだつ。本業は「人を集める事」企画から集客、交渉や紹介など。公的団体の仕事から、個人までできる事なら何でもやるスタンス。最近は四川フェスの運営団体麻辣連盟の幹事長も兼務。監修書籍に「東京ラムストーリー(実業之日本社)」「家庭で作るおいしい羊肉料理(講談社)」がある。


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