食の未来が見えるウェブマガジン

コロナ期の飲食イベントはどう開催すべきか?


新型ウイルス感染症の影響で、飲食店でのイベントを開催するのが困難な中、ポストコロナ時代の飲食イベントはどのように開催すべきか。大規模〜小規模までさまざまな交流会の開催、イベントの運営に携わる羊齧協会主席の菊池一弘さんにお話をお聞きしました。

私は仕事的に人を集めることを多く行なってきました。数十名クラスのイベントは年に30回は行ないますし、参加者数が万超えのイベントも年に3回行なってきました。すべて消費者団体としての開催で、準備段階から人がものすごく集まります。つまり、三密を作るのが得意だったのです。しかし、新型コロナウイルスの流行で状況は一変。人を集められない状況が続いています。

この状況が今後も続きそうで「コロナ明け」などは来ない場合を想定し、その中でどう新しい日常を作るかを考えるべき時に来ているなと感じ、ポストコロナ時代の飲食イベントや、宴会の基本を作れたらと考え、緊急事態宣言明けに5回飲食イベントを注意しながら行いました。

敢えてイベントをやる必要はない!と言われればそれまでですが、この状態が続いた場合安全を確保しながら、いろいろなことを動かし、戻らないまでも、以前に近い生活をどう行なうか?を考えていかねばと思うのです。個人的な意見ですが、IT技術でのリモート宴会などはあくまで別のエンターテインメントで、宴会や会食のリアルに会う楽しさの代替にはなりにくいと考えてもいます。

特に飲食店では大勢の会食や宴会などが収入の重きをおいている場合が多いので、怖いから避ける!気持ちも十分わかりますが、みんなで注意しながらお店に行き支えること消費者として必要なフェーズに入っているのではと感じています。

新型コロナウイルス自体もまだ解っていないことが多く、いろいろな意見や見方が存在するとは思います。その議論からは離れたあくまで私見としてお読みいただければと思います。

完璧は不可能。どう安全を積み重ねていくかがポイント

完璧な対策は人が集まる場合不可能です。それゆえ、感染の可能性をどう減らしていくか?が大事です。一部イベントでは「消毒!換気!」を免罪符に際どいことをやっている場合もあり、危ないなと思ったこともまとめようかと思った理由の一つ。

大勢&席バラバラ&不特定多数が出入りするイベントなどは、消毒検温なんかしても無症状の感染者がいた場合ほぼ意味がありません。このようなイベントを「コロナに負けない」など、わけのわからないことを話して行なっているパターンが散見されます。
美味いもの食べても免疫は上がりませんし、酒で呼吸器は消毒出来ません(笑)。

そこで、あまり、参考になる実際に即した情報がないので、国のお願いやら、保健所の文章など、いろいろな情報を総合し、コロナ後の宴会の仕組みを考えてみました。それに、5回開催した宴会の経験も入れて箇条書きでまとめてみました。

完璧にする!というより、会食の楽しさをできるだけ維持し、その中で何をやるか・・・・と言う観点でまとめています。なので、感染はゼロにはなりません。その所はご注意を。

1,席数を減らす

結構これがポイントでして、イベント時、席を3割から5割減らしてスペースをとっています。イベントという「多く来てほしい!」という趣旨と反しますが、数が減れば減るほど安全性は高まります。簡単な数学の話でして、人数が少なくなればなるほど感染している人が来る可能性も減るということです。

2,入り口での消毒

大事だとは思いますが、感染者が来た場合どうしようもありません。あくまで、サポート的なものだと考えています。しかし、大事なことの一つです。テーブルの上に消毒液を置き、気軽にみなさんが消毒できる環境を整えるのもありです。

3,検温

まだやれていませんが、非接触型の体温計を手配中です。無症状の人が多いのでやったから大丈夫!ではありませんが、どれだけリスクを減らせるか?が大事ですので、やらないよりは安全性が増します。入場に手間がかかるので、事前に通知して理解を求めて置くことが大事です。

4,席を固定。ウロウロさせない

立食や、席が決まってないなどのイベントはアウトだと思っています。席を固定し、ウロウロさせないことで、まさかの場合の被害を最小限に食い止めます。また、食器が混ざることも防げます。

席間が空いていて、席が固定でしたら、小さな会食とあまり変わらないと考えます。雰囲気などで席固定でも宴会に参加している感は強く満足感があることは5回の実験で実証済です。

5,移動時はマスク

トイレや、席の移動時はマスクをしてもらいます。そして、お酒を持っての移動などは禁止とします。それで移動時のリスクを減らします。宴会時の酒を片手に大声で話して歩く!をどう留めるかがポイントです。席を移動して話して歩くことを前もって禁止として伝えておきます。

6,フォームで全員分のアドレスや個人情報を確保

これは、何かあった場合保健所に提出するための情報です。席次表なども作っておければベストだと思いますが、これは次の課題です。宴会参加者にフォーム登録を義務付け、住所と連絡先を確保しておきましょう。

7,終了後、店の前で溜まってワイワイなどさせない

日本人がよくやる、なぜか店の前でワイワイ騒いでなかなか帰らないをやらせないようにしてください。酔っているとマスクを外しがちになるので、話すときはマスクをさせることが大事。ベストは、時間差で席ごとに退場させ、混ぜない。これは、手が回らないのでまだまだですが、やっていきたいと考えています。また、はしご酒で感染が広まっているそうなので、二次会を禁止するなど、その後の動きも管理し、家に真っ直ぐ帰ってもらうのも大事です。

8,料理はできるだけ個別。大皿の場合は取り箸を使う

酔ってくるとこのあたりから崩壊します。なので、かなり注意が必要です。取皿もできるだけ混ぜないように気をつけます。箸や食器は直接ウイルスを媒介しますので。

9,衛生担当を置く

少し大型の宴会の場合、幹事より輪番で衛生担当を置き、細かく注意させるのもありかと。これは、5回宴会をやってみて思ったことです。腕章など「衛生担当」など作れば、声をかけられた人も納得してくれるはず。

10、素性がわからない新規を入れない

紹介制などで、「あの人だれ?」をなくします。また、クローズドで新規お断りでもいいかも。何かあった場合の連絡方法の確保と、どこで何やっているかわからない人を入れないための方法です。

11,換気

窓を開ける、換気扇を付けるなど、意識して換気を行なって頂きました。窓のほかも、換気扇などをうまく利用するとかなり空気の流れが生まれます。空調が効きにくい旨は前もって話しておくことが大事かと。換気優先にすると室温が不安定になるので。

12.厚生労働省のアプリインストール

新型コロナウイルス接触確認アプリを入れておくようにお願いしてください。いろいろという方もいますが単独で完璧な対策をするのではなく、合わせで危険性を排除することが大事です。いらっしゃる前に陽性者との接触がないかを確認して頂く形です。

以上、気づいたことなどをまとめてみました。もっと完璧な方法もあるかと思いますが、ポイントは「リスク軽減と楽しさの落とし所」を探すことです。

特に、席の固定で移動を制限すると、濃厚接触者はかなり抑えられます。その時に接する人数的にいうと、会社や家庭とほぼ同じレベルにまで持っていけるのではと。

こんな注意をするぐらいならWEBでやったほうがいいのでは?と思うかもしれません。しかし、席を動けなくてもみんなで食事をする楽しさは群生動物である人間はものすごく感じるらしく、楽しさと一体感にWEBでの飲み会とは天と地の差がありました。

この宴会のポイントは、幹事の統率力と盛り上げ力です。キッチリとルールを守らせる。そして、席を動かずとも一体感を出す。この幹事力で満足度が違います。

あくまで、今の段階で個人が考えたことであり、完璧ではない「安全と楽しさのせめぎあい」の中での対策ですので、何回も言いますがあくまで参考までに。

安全に気をつけながら、どれだけ普段と同じ活動するかがこれからはポイントになるかと思います。我ら消費者は気をつけつつお店に行き、食事をし、お店を支え、コロナが終わった後も通える店を残すことだと思います。

まだまだ、つらい状況が続きますが、その中で新しい日常をみんなで見つけて行きましょう。

※この情報は7月25日頃の現状を元にしています。


取材・文・撮影=菊池一弘

株式会社場創総合研究所代表取締役。羊好きの消費者団体羊齧協会主席。羊を常食とする地域で育ち、中国留学時にイスラム系民族の居住区に住んでいたことなどから、20代前半まで羊は世界の常識と思ってそだつ。本業は「人を集める事」企画から集客、交渉や紹介など。公的団体の仕事から、個人までできる事なら何でもやるスタンス。最近は四川フェスの運営団体麻辣連盟の幹事長も兼務。監修書籍に「東京ラムストーリー(実業之日本社)」「家庭で作るおいしい羊肉料理(講談社)」がある。


SNSでフォローする