天然フキノトウが鮮烈な香りを放つ「鯛の塩焼き蕗のとう味噌添え」竹久 主人 竹下和宏さん 23年6月号


普段はなかなか見ることができないシェフ達の手元がしっかり映っていて分かりやすく、プロにもアマチュアにも支持されているYou Tubeチャンネル「料理王国」。23年4月号では、東西のフレンチシェフの技術を収録。ぜひ、本誌やWEB記事と併せて動画もご覧ください。

天然フキノトウを使った味噌で、山の恵みと滋味を感じる一品を。
ふんわり焼き上げた白身魚のほか、新ジャガやおにぎりにもピッタリ。

幼少期は地元・広島で山菜採りなど山に親しみ、学生時代はワンダーフォーゲルを楽しんだという『竹
久』店主の竹下和宏さん。大の山好きから、山の辺料理の名店『比良山荘』で修行し、休みのたびに山へ入ったという。

そんな竹下さんにとって、春はワクワクする特別な季節。今回は評判のフキノトウ味噌を広島県産鯛の塩焼きに添えた一品を披露してもらった。
「フキノトウ味噌は白味噌主体、赤味噌主体などさまざまですが、私はご飯に合う赤味噌主体が好き。今日は赤味噌2に対して白味噌1を合わせます」

旬の食材で料理!
使用するフキノトウは京都・亀岡に自生する天然物を自ら採ったもの。フキノトウがシャキッとしている朝に採り、新鮮な魚を扱うように、霧吹きをかけて保冷剤を入れた保冷バックで持ち帰る。たっぷりの水で振り洗いしたらザルに上げて水を切り、冷蔵保存。変色した部分を取り除くと、剥がした部分から傷んでアクが出るため、調理の直前に処理する。鯛は広島県産。浅瀬に餌が豊富な瀬戸内のものを使うことが多いという。

フキノトウの下処理は一般的に揚げるか茹でてペースト状にするか、生を刻むかの3通りあるが、今回は濃厚な赤味噌と調和するよう、揚げてコクを出す。160〜170℃の油で揚げ、一気に火を入れることでアクを出さず、閉じ込めるイメージだ。
「アクが出た苦味とアクが出ない苦味は別物。前者は痺れに近いネガティブな苦味、後者はクリアで心地いい苦味です」と竹下さん。練り味噌とフキノトウペーストを合わせて再び練りあげ、炭火でじっくり焼いた鯛の塩焼きと共に提供。フキノトウの選び方や色鮮やかに仕上げるコツは動画にて解説。まったり濃厚な味噌に拮抗するように香る、フキノトウの青い香りと長く心地よい苦味の余韻。まさに滋味を実感する一品だ。

味噌は京都の老舗「山利」を使用。
フキノトウは160~170℃の油で揚げる。
油を切ってペースト状に。
焦げないよう鍋底を掻くように味噌を炊く。
味噌を裏漉してからフキノトウペーストと合わせる。
鯛は炭火でふっくら焼く。

京都府京都市中京区竹屋町通室町東入ル亀屋町141-1
075-231-5622
11:30~13:00(最終入店)
17:30~20:00(最終入店) 不定休
https://www.facebook.com/takeyamachi.takehisa

text: Ryoko Sato, photo: Shohee Murakawa

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